(4月12日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 「避難所」の読みは「ひなんしょ」か「ひなんじょ」か。読者から質問が届きました。濁らないのは主に西日本、濁るのは東日本では、とのご意見です。

 東西での発音の違いは確かにあり、「研究所」「停留所」などの「所」も、西は濁らず東は濁る傾向があるとされます。

 NHKは、「避難所」の読みの清濁を両方認めています。ただ、NHK放送文化研究所のサイトにある「ことばウラ・オモテ」には、阪神淡路大震災のとき、「じょ」が便所を連想させ「汚く聞こえる」との声が被災地の住民からあり、放送で「しょ」と発音したとあります。

 「じょ」と読むのを避けたくなる理由には、濁音が与える負の印象がありそうです。「ごうごう」「だらだら」といった擬音・擬態語や、「ずる」「どじ」など良くない意味の言葉によく使われ、不快感をもたらしがちです。

田島 恵介(たしま・けいすけ)

1981年熊本市生まれ、関西育ち。博士(文学)。専門は漢字(特に音韻)。2年半の非常勤講師生活を経たのち、2013年入社。現在、東京本社校閲センター員兼用語幹事補佐。三度の飯より本が好き。成瀬巳喜男映画の大ファン。