(7月26日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 ニュースでよく見る沖縄県の尖閣は「諸島」、北方領土の歯舞は「群島」。どちらも島の集まりですが、「違いは?」との質問が読者から届きました。

 国語辞典や地理学の事典では諸島を「散在する島々」、群島を「群がった島々」などとしていますが、ほとんど同じ説明をしているものもあります。

 群島を「地理学では『諸島』の旧称」とする辞書もありますが、下関市立大の平岡昭利名誉教授(地理学)によると、諸島も群島も学問的な定義はなく、学界では基本的に地図に書いてある地名を使っているそうです。

 では、地名としてはどう決められたのでしょう。地図を作る国土地理院や、海図を作る海上保安庁海洋情報部によると、このような配置なら諸島、といった決まりはなく、歴史的な名称や現地での呼び方に従って地名を決めているとのことです。

 実際、両方が使われていて混乱があった場所もあります。

大月 良平(おおつき・りょうへい)

1988年生まれ、奈良県出身。2012年に入社、東京校閲センターに配属されたため上京する。大学での専門は倫理学。クイズ・漫画・歴史など、浅く広く、インドアな方面に趣味を持つ。