春の引っ越しシーズン真っただなかであるが、毎年この時季になると、まだ20代のころ、転勤で地元福岡から初めて東京へ向かった時のことを思い出す。一人暮らしにしては荷物が多かったのだが、それがすべてアズキ色のJRコンテナ一つに納まったのには驚いた。

 東海道新幹線で静岡県の掛川あたりを走っていると、並行している在来線で貨物列車を見かけることがある。子どものころのように、筆者はたまに何両連なっているか数えたりする。ずっと興味の対象としての貨物列車だったが、引っ越しを契機として、ずいぶん大量に運べるものだという、ロジスティクス(物流)という点から関心を持つようになった。

 冒頭に「毎年この時季になると」と書いたが、やはりこの時季、東日本大震災を思い起こさずにはいられない。当日の揺れもさることながら、後々の品不足、特に空っぽになったコンビニやスーパーの棚は強烈に記憶に残っている。飲料水の価格高騰にも愕然(がくぜん)とした。普段はロジスティクスのありがたさはわからないものだ。