(4月4日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 テレビのナレーションで、「~そう」という表現を聞いたことがありませんか。人から聞いた話を伝える時の言い方で、「~そうだ」「~そうです」とせずに「~そう」で言い終わります。言葉足らずな言い方だとずっと違和感がありました。

 「三省堂国語辞典」は最新版・第7版(2014年発行)で初めて項目を立てました。

 そう 「そうだ(助動)」の語幹。「花よめさんはうれし―・新作のロールケーキも人気だ―・効果がある―よ〔女〕」

 「説明と例文は私が書きました。『新作のロールケーキ』の例はわかりやすく、見つけたときは喜びました」。同辞典編集委員の飯間浩明さんはこう振り返ります。

 飯間さんによると、「今日は日曜日だ」→「今日は日曜日」(名詞)、「私は大丈夫だ」→「私は大丈夫」(形容動詞)、「まるで夢のようだ」→「まるで夢のよう」(助動詞「ようだ」)、「花嫁さんはうれしそうだ」→「花嫁さんはうれしそう」(助動詞「そうだ」の「様態」と呼ばれる用法)といった例をみてもわかるように、「だ」は省かれやすいのです。

奈良岡 勉(ならおか・つとむ)

1983年入社。静岡を振り出しに東日本の各地方都市と東京の本社を行ったり来たりで記者生活30年。校閲センターには2010年から。趣味は読書。のはずが、仕事で「言葉の海」に溺れ、本を1ページも読まずに寝てしまうことも。