(3月13日付朝刊に掲載した「ことばの広場」を再録しました)

 昨年末、青森県五所川原市が褒賞受賞者らの妻に贈ってきた「内助功労章」を廃止したと報じられました。女性受賞者の夫には贈っておらず、市長は「女性が男性を支える時代とは夫婦のあり方が変わっている今、章の名称も運用も、行政が出すメッセージとしては誤解を持たれかねない」と廃止の理由を語っています。

 「内助の功」でまず思い浮かぶのは、戦国時代の山内一豊の妻。現代では死語かと思いきや、2000年代に入ってからも朝日新聞の紙面に200件超登場し、まだまだ現役のようです。共働きが多数派になり、「内助の功に報いる税制」である配偶者控除の是非が議論されたことなども影響しています。

 「内助」は内部からの援助や表立たずに援助することの意ですが、主な国語辞典はいずれも「内助の功」の例を挙げて「特に、妻が家庭にいて夫の働きを助けること」と説明。紙面でもこの使い方が大多数です。スポーツ選手を女子マネジャーが、首相を官房長官が支えるという使い方も見られますが、いずれも「主役が夫でサポート役が妻」という夫婦関係に見立てたものと言えます。