シリア難民の受け入れが欧州などで大きな問題になっています。難民や移民を乗せた船が地中海で転覆して犠牲者が出たという悲劇は、紙面で何度も目にしてきました。この間、オーストリアを移動中の大勢の難民が冷凍トラックの中で死亡していた事件や、トルコの海岸にシリア難民の男児の遺体が流れ着いた写真が報道され、さらに世界中に衝撃が走りました。

 カナダやオーストラリア、米国など欧州外でも難民の受け入れを増やす準備を始めましたが、ひとたび目を国内に向けると、昨年の難民認定数が11人という日本では、「ランチ難民」とか「介護難民」とかいった比喩でしかなかなか「難民」に接することがないのが実情です。でも確かに、ニュースを見聞きするだけでもとんでもないことが起こっているらしいことは私にもわかります。
 
 折から、難民支援をしている国連難民高等弁務官(UNHCR)の駐日事務所主催の難民映画祭が10月2日から、東京、札幌、仙台で順次開かれます。この際、映画祭に足を運んで、もう少し難民のことを知り、私たちのできる難民支援を考えてみませんか?

■2006年から今年で10回目


 UNHCR難民映画祭は今年で10回目。同事務所が、世界各地で迫害や紛争を逃れ、避難生活を強いられている難民や国内避難民、無国籍者などについて人々に広く知ってほしいという願いを実現するための一大啓発イベントと位置づけ、2006年から毎年開いています。10月2日の東京での開幕に先立ち、9月3日、都内で記者会見がありました。

門田 耕作(もんだ・こうさく)

1957年、兵庫県生まれ。84年、活版時代の大阪・校閲部入社。用語幹事として「朝日新聞の用語の手引」(2015年3月刊)を編集。現在、東京校閲センターで用語担当。差別・人権問題の紹介にも取り組む。日本酒と焼きそば(古里ではそば焼きと言った)が好き。