「Sign with Me」――「一緒に手話ろう(=手話で会話しよう)」の名前を持つカフェが東京都文京区にあります。先月、都営地下鉄春日駅近くに2号店がオープンしたばかり。スタッフは全員、お店では手話を使います。ろう者であるオーナーの柳匡裕さん(43)が「当事者(手話者)自身の手によるビジネスモデルづくり」を掲げて作ったお店。「ここはまだ通過点」と話します。


 先月中旬、「Sign with Me」春日店に入ると、笑顔のスタッフが迎えてくれました。注文はレジ横のカウンターで。「イートインorテイクアウト」「単品orセット」などを選ぶためのボードがそばにあり、好きな方に指をさしていきます。さらに種類豊富なスープ中心のフードも、メニュー表に指をさして選びます。番号が振ってあるフードもあり、指さしで分かりづらければ、手の指で数字を表してやりとりをすることも。「4番」のフードなら、指を4本立てて確認します。

 店内には低い音で音楽が流れていて落ち着いた雰囲気。お客さん同士のおしゃべりや笑い声で満ちています。スタッフとコミュニケーションをとる時は、手話やジェスチャーを使ったり、備え付けのタブレットで筆談したりして意思を伝え合います。

■「当事者問題をビジネスで解決するために」

 柳さんが「Sign with Me」1号店を文京区内(都営地下鉄本郷三丁目駅近く)にオープンしたのは2011年12月。お店を始める前は、障害者の就労を支援する会社で働いていたそうです。そこでは、会社側は戦力としての期待というよりも、障害者雇用率を満たすことを目的としているように、障害者の側ではどうしても仕事を「待ち」、職場で迷惑をかけないように縮こまりがちになっているように感じました。

梶田 育代(かじた・いくよ)

2001年大阪校閲部入社、鳥取総局、朝日学生新聞社などを経て現在、東京校閲センター。学生の頃はスポーツ新聞部に所属。野球、ハンドボール、バスケットのスコアがつけられる。大阪出身のためお笑いが大好き。東京在住の今でも、年末の「楽屋ニュース」だけは見ないと年が越せない。