膵臓(すいぞう)の細胞が壊され、血液中の糖分を調節するインスリンを作れなくなる病気、1型糖尿病。患者は毎日のインスリン補充が必要で、血糖値や食事に応じてインスリンを注射するなどして、体調を自己管理しています。

 その治療のための新しい試みを紹介した記事で、「国内の患者数は10万人あたり約1.5人と推計されている」とする箇所がありました。しかしこれは誤りで、校閲センターの担当者の指摘により「国内の年間発症数は、10万人あたり1~2人と推計されている」という記述になりました。

 10万人あたり約1.5人であれば、1億人あたりだと単純計算で約1500人。しかし近年、本紙生活面の連載「患者を生きる」や社会面の記事で頻繁に取り上げられているこの疾病の、国内患者数が約1500人というのは少ないのでは……。そう感じた担当者が調べたところ、厚生労働省の懇談会の資料で患者数を約1万人強としたものがあるほか、患者団体が2万~20万人の幅で患者数を推計し得るとしていることが分かりました。さらに専門医の論文などで「年間発症率は10万人あたり1~2人」とするものがあったことから、「患者数ではなく年間発症者数では?」と指摘、正しい記述となりました。「10万人あたり」では数の大小がよくわからないものも、日本の人口や自治体の人口に近い数に置き換えてみると不自然だとわかることがあります。

見出しに苦心

 日本中央競馬会(JRA)所属の藤田菜七子騎手がデビューしてから3カ月が経ちました。JRA所属の女性騎手デビューは16年ぶりで、2013年秋に増沢由貴子騎手が引退して以降JRA所属の女性騎手は不在だったので、今年3月3日の初騎乗時(川崎競馬)は話題になり、朝日新聞でも報じられました。初日から計6レースに騎乗し、2着に食い込んだレースもありましたが、本人の自己採点は「30点」と厳しいものでした。

 この藤田騎手、JRA所属ではありますが、地方競馬の川崎競馬でのデビュー戦となったという事情もあり、慌ただしい紙面編集の過程では誤った見出しも何度か付きました。

 西日本に配るための紙面の一部では当初「女性騎手16年ぶりデビュー/藤田菜七子」との見出しが付けられました。確かにJRAでは16年ぶりなのですが、地方競馬ではその間も女性騎手がデビューしているので厳密にいうと誤りでした。見出しに「JRA」の文言を加えてもらいました。

 また、さらに違う地域に配るための紙面では、「藤田菜七子、JRAデビューは『30点』」との見出しが付けられました。しかし地方競馬での騎乗なので、「JRAデビュー」は苦しい文言でした。指摘したところ「JRA藤田菜七子、デビューは『30点』」との見出しになりました。