リオのカーニバル、丑の日…

 リオデジャネイロ五輪の開幕まで、あと1カ月を切りました。毎日紙面のどこかに顔をのぞかせている「しつもん!ドラえもん」でも6月初旬から約2週間にわたり「ブラジル編」を掲載し、五輪の盛り上げ役を買って出ました。
 リオでは2014年にサッカーのワールドカップが開かれましたが、有名なのはやはり、世界最大のサンバの祭典「リオのカーニバル」でしょう。「ブラジル編」でももちろん取り上げられています。「ブラジルで毎年2月に開かれる熱狂的なお祭りは」という問題でした。しかし、カーニバルの日程はキリスト教の復活祭(イースター)を基準にしており、復活祭が「春分後の満月の後の日曜日」と毎年日付が変わるため、2月に行われるとは限りません。指摘して「毎年2月や3月に開かれる」としてもらいました。
 宗教的行事や、旧暦にまつわる催しは、太陽暦上の同じ月や同じ日に行われるものでもありません。日本でウナギを食べる習慣で知られている夏の「土用の丑(うし)」は、8月7日ごろの「立秋」を基準に、その前の18日間のうちの丑の日に当たる日とされています。今年は7月30日ですが、昨年は7月24日と8月5日と、月をまたいで2日の年もあるので注意が必要です。

変換機能に頼りすぎずに

 パソコンの文字入力機能の進歩で、打ち間違いや漢字変換によるミスは少なくなっています。例えば「独断専行」を「独断先行」とするようなミスがかつてはありましたが、最近は四字熟語などは、読み方さえ正しく入力すれば一発変換されるので、誤変換によって意味の違う言葉になることは少なくなってきました。とはいえ、運悪く一見問題なさそうな変換が行われてしまう場合もあります。
 東京五輪・パラリンピックの新エンブレム選定についての記事。エンブレム委員会の委員長のコメントに、「公正明大と胸を張って言える」とありました。もちろん正しくは「公明正大」。「公正」も「明大」も単語として存在するので、打ち間違いがそれっぽい四字熟語として成立してしまったのです。この間違いがあってから、記者が使用するパソコンに搭載している校正支援システムには、「公正明大」と打ち込んでチェックをかけると、誤用であることを知らせるメッセージを出すようにしました。
 逆に変換を使わない、ひらがなやカタカナが連続する箇所も要注意です。サッカー日本代表監督のハリルホジッチ氏の名前がハリ「ホル」ジッチとひっくり返っていたり、「かわいさ」が「かわいいさ」と余計な文字が入っていたりすることもあります。こういった誤りにはきりがなく、システムでチェックするのは限りがあるので、システムを使用した上で、私たちのような校閲担当者が一字ずつチェックしていきます。多少の誤字脱字や、文字列の入れ違いがあっても、人間はその文意を意外と柔軟に理解してしまうので、すっと読み飛ばしてしまわぬよう、固有名詞を一字ずつ丸で囲んでみたり、句読点ごとに区切りを入れてみたり、まさに「こつこつ」と地味な作業を繰り返すことになるのです。