現在ではあたりまえ、でも当時は……

 2025年の国際博覧会(万博)の大阪誘致に向けた動きが進んでいます。1970年の大阪万博についてふれた記事で「無線LAN、……などが登場」とありました。入場者数6421万8770人。会場内では迷子を捜したり、入退場者数のチェックに役立てたりするため、複数の情報端末をネットワークで結ぶLAN(ローカルエリア・ネットワーク)が導入されました。
 LANといえば無線LAN、と思い込みがちです。万博は最新のテクノロジーを駆使する場ですが、調べてみるとLANを無線で構築する現在の技術が確立したのは90年代。さすがにその20年も前では実用化のレベルにはほど遠いのではないかと、出稿部に確認しました。
 紙面では「無線」を取り、「LANなどが」になりました。
 70年というと、重さ1キロもある電卓が10万円近い値段で売られていたような時代です。現在では身近にあっても、当時はどうだったのか。時代背景を思い浮かべることも大事です。

~したのか、~されたのか

 中部地方の廃屋で白骨化した遺体が見つかったという事件がありました。この事件を伝える記事で「遺体が布団袋に入れられた状態で見つかった(中略)県警は事故と自殺の両面で捜査を進める方針」という表現がありました。
 すっと読んでしまいそうなところですが、自殺の可能性もある以上、「入れられた」とまでは断言できません。「遺体の入った布団袋が見つかった」と聞けば、「誰かが遺体を入れたのでは」と考えるのは当然かもしれません。しかし、思い込みは禁物です。事実が確認できない以上、表現には細心の注意が必要です。
 紙面では「遺体が布団袋に入った状態で見つかった~」となりました。