「昨年」?「今年」? ちょっと迷います

 いろいろなニュースがあった2016年が終わり、2017年が始まりました。元日付の朝刊は一年の幕開けにふさわしく、別刷り特集などで盛りだくさんな紙面になるのが恒例。今年の分も、昨年末にかけて、通常のニュース紙面と並行して制作作業が行われました。

 元日の特集は、普段の新聞では紙幅の関係で載せにくいような長めのインタビューがいくつか盛り込まれることが多く、前年ブレークした芸能人や、今後が期待される若手スポーツ選手といった人たちの発言が紙面を飾ります。

 そんなインタビューを点検していると、16年を振り返るような内容の中に「昨年までとは違って……」といった表現がいくつか見受けられました。

 インタビュー自体は16年のうちに行われているので、発言の中の「昨年」は15年のこと。でも元旦に届いた朝刊を読む読者にとっては、「昨年」は16年です。後に続く文によっては、「16年が16年までとは違う」というよくわからないつながりになってしまいます。インタビューなので、あまり元の発言と離れた表現になってはいけませんが、文脈に応じて「それまでとは違って……」のような形に直してもらいました。

 校閲の現場では、月末のたびに「月替わり」に注意する必要が出てきます。たとえば2月6日に開幕する札幌の雪まつり。1月中にこれに触れる記事を書くとすれば「来月6日から行われる」という書き方になります。では1月31日に作る朝刊に載る記事ならばどうでしょうか。読者の手元に新聞が届くのは2月1日ですから、「来月6日」は3月6日で、春のことになってしまいます。「来月」を「今月」に直すか、または「来月」をとってただ「6日」とするか。新聞を作っている時はまだ1月中なので、ついつい見落としてしまわないよう部員の間で注意喚起したりもします。

 「月替わり」は毎月ありますが、「年替わり」は1年に1度。新聞社ならではの、年末年始の風物詩、といえるかもしれません。