【解説】


 第24回参院選の投開票まであと数日となりました。100年を超える近代日本の国政選挙の歴史の中で、初めて18、19歳が投票に参加します。これまでにも増して、注目度が高まっていますね。

 そんな参院選の第1回はどのようなものだったのか。昔の新聞を開いてみると、今回の記事に出くわしました。長野県飯田市で「二重選挙」が行われると見出しにあります。どういうことでしょうか。

 戦後2年目の1947(昭和22)年4月20日に行われた第1回参院選は、第23回衆院選(同25日)や統一地方選(同5、30日)とほぼ同時に行われました。詳しくは過去の点検隊をご覧下さい。日本国憲法施行(同年5月3日)の直前、新しい船出のかじ取りを任すために全議員を選び直した形です。

 その中でも参議院は、非公選だった貴族院から大きく様変わりする重要な選挙。まだ公職選挙法がない時代、参議院議員選挙法を制定して定数を250(全国区100、地方区150)とし、第1回のみ、それぞれの上位当選者の任期を6年、下位当選者を3年と定めています。現在の参院選は3年ごとに改選がありますが、その土台は第1回にあったのですね。

 「全国区」は、若い人には聞き慣れないかもしれません。1980(昭和55)年まで行われた方式で、簡単に言えば選挙区は「日本全国」。全国の有権者が投票用紙に書くのは、全国区で立候補した候補者の名前です。83年からは政党名を書く拘束名簿式の比例代表制、2001年からは政党名または候補者名を書く非拘束名簿式の比例代表制が採用され、今に至ります。なお「地方区」は現在の「選挙区」。都道府県ごとの選挙区で選出する方式です。今年からは徳島と高知、鳥取と島根が「合区」となりました。

 今回の記事は、その「全国区」が舞台。飯田市で参院選投票日の20日に大火があり、投票が中止に。改めて25日に衆院選の投票と同時に「再投票」をすることになったようです。

原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から

・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に

等の手を加えています。ご了承ください

広瀬 集(ひろせ・しゅう)

熊本県出身。就職氷河期世代。非正規の職を転々とした後、2006年にようやく入社。3年半の大阪本社勤務を経て、13年東京本社に復帰。ことばマガジン「昔の新聞点検隊」の言い出しっぺ。関心のある歴史ものやスポーツものを、同コーナーを中心に執筆中。