【解説】


 雑誌「暮しの手帖」を創刊した大橋鎮子さん(1920~2013)をモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」。テレビドラマは視聴率も好調でしたが、1日に終了してしまいました。今回は1958(昭和33)年7月に大橋さんを紹介した記事を取り上げます。

 今の校閲記者の視点から点検してみましょう。

 記事は大橋さんを「米誌『ペアレンツ・マガジン』社から表彰された」と紹介しています。ところが「ペアレンツ・マガジン」がどんな雑誌なのか、なんで表彰されたのかはこの記事には出てきません。ちょっと新聞をさかのぼると、6月29日付の紙面に「大橋さんを米誌表彰 『暮しの手帖』社長」という記事が載っていました。

写真・図版

米誌ペアレンツ・マガジンから表彰されたことを報じた記事=1958年6月29日付東京本社版夕刊2面

 この記事によると、表彰理由は「女性ジャーナリズム界における大橋さんの創造的優秀さ」を特に挙げていて、「ペアレンツ・マガジン誌は発行部数百七十万、米国PTAの機関誌のような役割を果している」とあります。当時大きな話題になったから省いたのかもしれませんが、今なら簡単にでも説明を入れたいところです。

原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から

・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に

等の手を加えています。ご了承ください

上田 孝嗣(うえだ・たかつぐ)

1966年生まれ、福岡県出身。91年入社、東京本社校閲部、仙台、函館支局、東京本社地域面編集などを経て2012年から校閲センター。食と酒の美味探求とスキューバダイビング、旅好きなアラフィフ。共著に「パイプ大全」。