【解説】

 電話などを使って面識のない人にうそをつき、お金をだましとる詐欺事件が多発しています。手口は年々巧妙になり、「オレオレ詐欺」「振り込め詐欺」などと名前を変えて世間を騒がせました。警察などによると、2004年ごろから被害が増え始めたそうですが、電話が一般に普及し始めた大正時代にも似たような事件が新聞で報じられていました。

 さっそく記事を点検してみましょう。

 電話を掛けてきた「主人」の言う場所に財布がなかったことから、女中さんが不審に思って被害はなかったようです。「あとで詐欺と判明」とありますが、もう少し詳しい経緯が書き込めないでしょうかと提案してみます。被害者宅がわかっているなら、家族や女中さんの話も聞いてみたいところです。新聞記者は腰の軽さが命。この手の詐欺を防ぐヒントが紹介できるかもしれません。「タンス」と「たんす」、表記がばらばらなのも特に理由がなければ、そろえてもらいましょう。

 もう一つの電報を悪用した「学生の実家へ大怪我との偽電」の記事では、けがをしたという学生の名前が最初は「敏喜」でしたが、次は「喜敏」になっています。どちらかが間違っているのでしょうから直してもらいます。

 また、当時は名前が呼び捨てですが、今は「氏」「さん」などの敬称を入れますし、警察が検挙したからといって「犯人」とは決めつけず、「容疑者」としています。

原文どおりに表記することを原則としますが、読みやすさの観点から

・漢字の旧字体は新字体に
・句点(。)を補った方がよいと思われる部分には1字分のスペース
・当時大文字の「ゃ」「ゅ」「っ」等の拗音(ようおん)、促音は小文字に

等の手を加えています。ご了承ください

菅野 尚(すがの・なおし)

東京都出身、バブル末期の1991年入社。大阪を中心に西日本を回る。釣りやダイビングに目覚め、魚の生態観察に癒やされる。最近はスポーツジムで泡風呂にひたり、その後はビールの泡におぼれる日々を送る。