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エジプトデモ、最大イスラム団体も動く 政府は幹部拘束

2011年1月29日7時39分

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 【カイロ=貫洞欣寛】各地に広がったエジプトの反政府デモで、最大の野党勢力、ムスリム同胞団の動きが目立ち始めた。これまでのデモ参加者はネットでつながった若者たちが中心とされてきたが、28日のデモには同胞団メンバーが積極的に加わったとみられる。伝統的な宗教ネットワークを持つ同胞団の参加がデモの規模拡大につながった。

 エジプト治安当局は27日夜から28日朝にかけ、同胞団の政治局員や元国会議員ら幹部少なくとも20人を拘束。さらに各地で末端活動家の拘束にも乗り出した模様だ。エジプト最大のイスラム団体である同胞団は、イスラムの伝統的価値観に沿った穏健な社会改革を求めており、テロによる政権転覆を図るアルカイダなどのイスラム過激派を強く批判している。

 同胞団の活動を支えるのは、貧しい人々への生活支援など幅広い社会活動を通じた草の根の組織網だ。病院なども独自に経営しており、福祉団体としての側面も持っている。エジプトでは憲法で宗教政党の結成が禁止されているため、「無所属」のかたちで団員を立候補させる戦略を採り、2005年の総選挙では88議席を獲得した。

 ムバラク政権側の同胞団への警戒心は強く、昨年11月の総選挙では、治安機関による同胞団系候補の団員らの拘束が相次いだ。同胞団は選挙戦途中から「政権側に抗議する」として選挙をボイコットし、全議席を失うことになった。結果的に議会は与党・国民民主党(NDP)がほぼ独占した。

 エジプトでは各野党や市民団体などは発達しておらず、まともな大衆組織を持つのは自由に活動できるNDPと、宗教ネットワークを通じた草の根組織を持つ同胞団しかないとされる。その同胞団が議会での足場を失ったことで、政治に今後どう関与していくのかも注目されていた。

 政治が機能不全の状況で起きた今回のデモは、「フェイスブック」などネットで行動を呼びかけた若者らが中心となり始まった。28日のデモは、都心部だけでなく貧しい人々が暮らす地域など各地の裏通りにあるモスクで同時多発的に始まっており、同胞団が加わったとみられる。

 NDPのシェリフ幹事長は27日、「平和的に行動する若者に敬意を表する。ムバラク大統領は常に大衆の声に耳を傾ける」と、「ネット世代」の行動を持ち上げる一方で、「言論の自由を利用して混乱を作り出そうとする勢力がいる」と同胞団を批判。ネット世代と同胞団の両者の離反を誘おうと躍起になっている。

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