市民のデモで2月に退陣に追い込まれたエジプトのムバラク前大統領ら3人に対し、エジプトの裁判所は28日、デモを封じるためにインターネットや携帯電話の通信網を遮断し、経済に損害を与えたとして計5億4千万エジプトポンド(約73億円)の罰金を支払うよう命じた。国営テレビなどが伝えた。
ムバラク氏はデモ隊への発砲命令や不正蓄財などの責任を問われているが、判決が出たのは初めて。罰金額はムバラク氏が2億ポンド、治安対策を担当したアドリ元内相が3億ポンド、ナジフ元首相が4千万ポンド。
ムバラク政権は、ネットや携帯で呼びかけられた1月28日の反体制デモを妨害するため、同日未明から通信網を遮断。だが、実際には口コミなどで広がり、デモ対策にはさほど効果を上げなかった。一方で、銀行や企業などの業務が大きな影響を受け、社会は大混乱した。(カイロ=貫洞欣寛)