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市民「これで武器は必要ない」 トリポリ歓喜と祝砲

2011年10月20日23時17分

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写真拡大20日、シルトの街頭で勝利を祝う兵士たち=テレビ映像から、AP

 カダフィ政権時代の緑一色の国旗を反カダフィ派の兵士らが燃やし、一斉に踏みつける。そして、反カダフィ派を象徴する赤黒緑の三色旗が、カダフィ派の拠点だった場所にくくりつけられた。

 カダフィ氏の生まれ故郷であり、同氏に忠誠を誓う部隊が最後まで抵抗を続けていたシルトが20日、反カダフィ派に制圧された。

 「カダフィ氏拘束」の情報が飛び込んできたのはそのさなか。シルトの広場では集まった兵士らが「アッラーフアクバル(神は偉大なり)!」と叫び、激しく祝砲を打ち鳴らした。

 約2カ月前に反カダフィ派が制圧した首都トリポリの中心部では、三色旗を持った人と車で大渋滞になった。国民評議会の兵士が祝砲を控えるよう拡声機で指示するが、空に放たれた銃声にかき消された。

 中心部の殉難者広場(旧・緑の広場)は歓喜する人たちでお祭り騒ぎに。「カダフィさらば、カダフィさらば」。市民らが次々に即興の歌を合唱し、戦死した家族の写真などを持ちながら、神の名前を叫び続ける人もいた。

 タヘル・ホスニさん(55)は、目に涙を浮かべて手当たり次第に人々と抱き合った。「人生でこんなにうれしい日はない」。カダフィ政権時代に逮捕され、投獄された。反カダフィの運動が始まると米国から帰国し、この日をずっと待ち続けた。「リビアにはすばらしい未来が待っている。自分たちでこの国をつくる」

 ニュースを聞いて家から出てきたというアーデル・マカデミさん(41)は「最高の気分だ。手が震えている」と語った。妻と暮らす家には、万が一の場合に備えて銃を隠してある。「人々が敵なのか味方なのか分からない時間が長かった。でも、これでもう武器は必要なくなる。銃は明日にも役所に持って行くよ」

 近くの商店で働くホルド・ソルマニさんはニュースを聞き、店を閉めて友人と広場に出てきた。「今日はお祭り。でも、明日からは社会が落ち着いていってほしい」と期待する。

 トリポリ大学医学部に通うアフメド・アルマジリさん(22)は、戦争に参加している同級生たちが帰ってくるまで、新学期の再開を遅らせるよう大学に求めている。シルト陥落の知らせに「とにかくうれしい。学生たちが学校に戻れば、来週にも一緒に履修登録を始めたい」と話した。(トリポリ=渡辺淳基)

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