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カダフィ氏死亡、リビア暫定首相が発表 国づくり本格化

2011年10月21日1時18分

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写真拡大2月にトリポリであったイスラム教の預言者ムハンマドの誕生を祝う式典に出席したカダフィ氏=ロイター

図拡大リビアの地図

 リビアで42年にわたって独裁政権を続けたカダフィ氏(69)が20日、出身地の中部シルトで死亡したと、反カダフィ派組織、国民評議会が発表した。評議会の部隊はこの日、カダフィ派の最後の拠点だったシルトを陥落させ、リビア全土をほぼ制圧した。2月に大規模なデモが始まり、内戦状態にあったリビアは今後、評議会を軸に新たな国造りを本格化させる。

 評議会のジブリル暫定首相は20日、首都トリポリで記者会見し、シルト攻撃の際に「カダフィは死んだ」と発表した。ジブリル氏はさらに「この歴史的な瞬間をリビアの人々に捧げる。この国にもう脅威はない」と語った。抵抗を続けていたカダフィ氏の勢力は同氏の死亡で消滅に向かうものとみられる。

 市民による反政権デモを機に中東・北アフリカで政権が崩壊したのは、1月のチュニジア、2月のエジプトに次ぎ3カ国目。

 カダフィ氏の死亡について評議会の関係者はロイター通信に、「カダフィは逃げようとして頭を撃たれた」と語った。これについて、ジブリル氏は「追って詳細を発表する」と述べるにとどまり、詳細は明らかにしなかった。

 一方、この日、北大西洋条約機構(NATO)軍がシルト付近で軍事車両を空爆し、カダフィ氏が負傷したとの情報もある。ジブリル氏は「NATOの攻撃による死亡ではないことは確認した」と語った。

 リビアでは2月中旬からカダフィ氏の退陣を求めるデモが発生。東部では軍の一部も加わり地域を制圧した。これに対しカダフィ政権は外国人傭兵(ようへい)も動員し、武力による鎮圧を図った。多数の市民が犠牲になっているとして、米英仏などが3月に軍事介入し、その後、NATO軍が空爆に踏み切った。しかし、カダフィ氏は一貫して退陣や出国を拒否してきた。

 評議会はNATOの支援を受けながら支配地域を拡大、8月21日には首都トリポリの大部分を掌握、同月23日にはカダフィ氏の住居や政権中枢施設がある中心部を制圧した。しかし、カダフィ氏は行方をくらまし、国外逃亡説や国内にかくまわれているなど、さまざまな情報が出ていた。

 カダフィ氏は1969年に軍の同志らとクーデターを起こして政権を掌握。秘密警察網で国民と政敵を監視し、独裁体制を築いた。

 石油収入を背景に次男セイフルイスラム氏らが経済開放政策を進める一方、インフレの進行と貧富の差の急速な拡大や自由の欠如、権力の「世襲」に市民は不満を募らせ、反政権デモが噴き出した。

 評議会の暫定憲法は、全土制圧宣言から30日以内に暫定政府を樹立すると定めており、アブドルジャリル議長が近く「全土解放」を宣言する予定。暫定政府は8カ月以内に議会選を行い、新議会が「移行政府」を設立。移行政府が制定した憲法の下で1年以内に総選挙を行い、2013年には正式政府が成立する見通しだ。(トリポリ=北川学、渡辺淳基)

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