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エジプト軍議長「近く挙国一致内閣」とテレビ演説

2011年11月23日20時57分

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写真拡大カイロのタハリール広場近くで、催涙ガスを吸ったデモ参加者を介抱する人たち=23日、山尾有紀恵撮影

写真拡大カイロのタハリール広場近くで、手当てを受けるデモ参加者ら=23日、山尾有紀恵撮影

写真拡大カイロ・タハリール広場近くで、催涙ガスを吸い込んで倒れた男性を救護所に運ぶデモ参加者ら=23日、山尾有紀恵撮影

 大規模なデモが続くエジプトで、暫定統治にあたる軍最高評議会のタンタウィ議長(陸軍元帥)が22日、テレビ演説し、近く「挙国一致内閣」を組閣し、2013年ごろとされていた大統領選を来年6月末までに繰り上げて実施すると発表した。早期の民政移管を求めるデモ隊に譲歩を示した形だが、軍部に対する不信感は根強く、デモが収束に向かう兆しは見えない。

 タンタウィ氏は、28日からの人民議会(国会)選挙を予定通り実施するとしたうえで、必要ならば軍が権限を手放すかどうかを問う「国民投票を行う」と語った。さらに「国民が求めるならば軍は統治権限を引き渡して本来の国防任務に戻る」と述べた。デモ隊が求める同氏の辞任には触れなかった。

 軍部批判に火を付け、デモのきっかけとなった、新憲法に軍事予算の公開拒否など、軍部の権益を維持する原則を導入しようとしたことについても言及しなかった。

 軍評議会はデモの激化を受け、主要組織を招いて対応策を協議し、今回の発表内容をまとめた。挙国一致内閣の首相には、国際原子力機関(IAEA)の前事務局長で、ノーベル平和賞受賞者エルバラダイ氏の名前も取りざたされている。同氏は大統領選への出馬に意欲を示しており、首相就任要請があっても受け入れるかどうかは不明だ。

 一方、カイロ中心部のタハリール広場では23日も1万人規模のデモが続き、周辺ではデモ隊と治安部隊の衝突が繰り返された。

 軍に勤務していたファトマ・ムハンマドさん(58)は最近辞職した。「若者が権利のために戦っているのを見て、いてもたってもいられず来た。タンタウィは演説で何も新しいことを言わなかった。彼らは権力が欲しいだけだ」と軍評議会の即時解散を求めた。

 会計士のハリド・マハムードさん(42)は「国民に銃を向けるような政権の言うことなど信用できない。民意を反映する政府が一刻も早く必要だ」と訴えた。一連のデモに対する武力行使でこれまでに30人以上が死亡しており、軍評議会の責任を問う声は絶えない。

 最大勢力ムスリム同胞団の系列政党自由公正党はタンタウィ氏の演説について、「注意深く見守りたい」との声明を出した。同胞団は、選挙を予定通り行って政治の主導権を握ることを狙い、今回のデモには加わっておらず、情勢の見極めを続けているとみられる。(カイロ=貫洞欣寛、山尾有紀恵)

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