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相続税の基礎控除4割減・最高税率55%に 政府税調案

2010年12月12日18時20分

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 政府税制調査会は10日、来年度税制改正に盛り込む相続税の増税案を固めた。遺産から差し引くことができる基礎控除の金額を4割減らして課税対象額を増やすほか、最高税率も50%から55%に引き上げる。相続税の納税者は年間約4.8万人から7万人程度に増加。年間1兆3千億円の相続税収は2千億〜3千億円程度増える見通しだ。

 相続税はバブル景気で地価が高騰した1980年代後半から、税負担を緩和しようと減税が繰り返されてきた。今回、「格差是正」の観点から資産家や高所得者により多くの税負担を求める方針に転換する。1958年度に現行の仕組みになって以来、相続税の本格増税は初めてとなる。

 相続税は土地や現金など相続財産から、基礎控除となる「5千万円+1千万円×法定相続人数」の合計額を差し引き、それに税率をかけて計算している。例えば、夫が亡くなり、法定相続人が妻と子ども2人の計3人の場合、基礎控除額は8千万円。相続遺産が1億円あると、控除額を差し引いた2千万円が課税対象になる。

 これに対して、来年度から実施する増税案では、基礎控除額を4割減らし、「3千万円+600万円×人数」にする。同じ例で考えると、控除額は4800万円になり、課税対象は5200万円に増える。これに税率をかけた相続税額は、現行の仕組みなら100万円なのが、315万円に増える計算だ。

 最高税率も見直す。現行は1人あたりの受け取り相当額が3億円を超えた場合に50%の税率がかかるが、新たに6億円を超える遺産に55%の税率を設ける。税率の区分は、現行の6段階から8段階に増やす方針だ。

 相続増税の代わりに、生前に次世代に財産を渡す「生前贈与」の優遇措置を拡大。これまでは20歳以上の子どもが対象だったが、これに孫を加える。子どもや孫へ生前贈与する場合は、配偶者よりも贈与税の負担を減らす仕組みに改め、世代間の資産の移転を促す。

 政府税調はこのほかの税制改正についても方針を大筋決定。所得税では、会社員の年収から一定額を差し引くことができる給与所得控除について、年収1500万円で頭打ちとし、控除額の上限を245万円とする。23〜69歳の扶養親族にかかる成年扶養控除は、世帯主の年収が約568万円を超える場合は対象外とする。ただ、扶養親族が障害者や要介護者や介護する人、学生などは控除を適用する。

 温室効果ガスの削減対策などに活用する地球温暖化対策税(環境税)は、来年10月から導入する。石油石炭税に上乗せする形で、初年度は400億円規模とし、段階的に2400億円に増やす方針。環境省は、ガソリンや電気代などに置き換えた負担増を、1世帯あたり年1200円程度と試算している。(伊藤裕香子)

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