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法人減税分を増税、復興財源に 野田政権、3年を想定

2011年9月7日1時46分

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図拡大法人減税と復興増税のイメージ

 野田政権は、未成立の税制改正法案に盛り込まれている法人税率の引き下げについて、来年度からの実施を決めた上で減税分に相当する額を増税し直し、東日本大震災の復興財源にあてる方針だ。事実上の減税凍結で、期間は3年程度を想定。当面、企業側の税負担はいまと変わらず、復興財源の捻出に協力を求める。

 現在、政権内では社会保障財源には消費増税分をあてる一方で、震災の復興費は所得税と法人税の増税を軸にまかなうことが検討されている。

 このうち法人税は、1月に国会に提出された税制改正法案で、今年度から国と地方をあわせた実効税率を40.69%から5%幅、引き下げる予定だった。だが「ねじれ国会」で審議が進まず、野党の反対がない部分だけを切り離して成立させた。民主、自民、公明の3党は8月、積み残しの法人減税などについて、3次補正予算案と一緒に協議することで合意している。

 野田政権は、今年度の法人減税を断念する一方、与野党の合意を得たうえで税制改正法案を修正。予定していた税率引き下げによる1.4兆円の減税と、研究開発などの優遇税制見直しによる課税ベースの拡大(6千億円の増税)を来年度から実施したい考えだ。

 企業にとって差し引き8千億円の減税になるはずだが、これは形だけの話。実際には、向こう3年程度はこの減税分に見合う金額を臨時増税して、復興財源にあてる方針。納税額を一律1割ほど増やす定率の法人増税が検討されている。

 臨時の法人増税を3年間続ければ、減税を完全実施したときよりも税収が計2兆円程度増える。ただ、そうなると、10兆円強が見込まれる復興増税のうち、残り8兆円強のほとんどを個人の所得増税が占めることになる。このため、今後の政府・与党の調整では、法人増税の期間をもっと延ばすなどして、「企業の負担を増やすべきだ」との声が出る可能性もある。

 そもそも法人減税は、海外に比べて高い税率を引き下げ、国内企業の海外流出を食い止めようというのが主なねらいだ。

 政権の方針に沿って増税期間が3年程度に限定されることが決まれば、その後は減税になるため、「産業界にとっては、今のように減税が決まらず中ぶらりんの状況よりは歓迎だ」(経産省幹部)という。経団連も7月末の税制改正要望で、法人減税の「早急な実現」を求めながらも、復興財源にあてる場合は減税分の範囲で期間限定の増税にすることを提案した。

 企業側が心配しているのは、将来の減税約束が「空手形」になることだ。今月1日、野田佳彦首相の訪問を受けた経済同友会の長谷川閑史(やすちか)代表幹事(武田薬品工業社長)は、首相に「宿題は分かってますよね」と話し、法人減税を確実に実施するようクギを刺した。(吉川啓一郎、福田直之)

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