野田佳彦首相は21日夕(日本時間22日朝)、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長と会談した。首相は今年7月に独立した南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の司令部要員として、陸上自衛隊から2人を派遣する準備を進めていると表明。道路整備などを担う施設部隊の派遣が可能かどうかを検討するため、現地に調査団を派遣する意向も伝えた。
潘氏は8月上旬、菅直人前首相に対し、南スーダンに300人規模の施設部隊の派遣を要請。野田首相は会談で「日本の得意分野、新しい分野で貢献していきたい」としたうえで、施設部隊の派遣について「現地調査を行った上で結論を出したい。その際は国連側の協力も得たい」と語った。司令部要員や調査団の派遣時期は明言しなかった。
野田政権は今月3日に現地に調査団を派遣しており、改めて調査団を出すことで現地の治安情勢などを見極める構え。首相には、日本が国際貢献に積極的な姿勢を国際社会に示す狙いがあるとみられる。
首相は23日の国連総会一般討論演説でも、南スーダンPKOへの自衛隊派遣に前向きな姿勢を表明する。(ニューヨーク=堀口元)