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野田首相、TPP交渉参加の方針表明

2011年11月11日23時11分

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写真拡大TPP交渉参加に向け関係国との協議に入ることを表明し会見する野田佳彦首相=11日午後8時16分、首相官邸、竹谷俊之撮影

 野田佳彦首相は11日、首相官邸で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)について「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べ、参加国との事前協議から始まる交渉プロセスに参加する方針を表明した。首相は12日からハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、オバマ米大統領らTPPの関係各国首脳と会談し、交渉参加の方針を伝える。

 TPP交渉に正式参加するには、すでに交渉入りした米国など9カ国と事前協議を行い、それぞれ承認を得る必要がある。日本が各国と本格交渉を始めるのは、早くても来年春以降とみられる。首相が「交渉参加に向けた協議」と表現し、事前協議を強調したのは、民主党内の反対派に配慮した面もある。

 首相は会見で、農業や医療などの分野でTPP参加に反対する声が強いことを念頭に「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する決意だ」と強調。こうした懸念に配慮する姿勢をみせた。

 一方で「貿易立国として活力ある社会を発展させていくためには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかねばならない」と述べ、交渉参加の意義を訴えた。その上で、首相は「関係各国との協議を開始し、さらなる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上でTPPについての結論を得ていく」と強調した。

 また、首相は農業対策について、10月に政権がまとめた農林漁業の再生に向けた基本方針・行動計画を踏まえて「規模の集約化や6次産業化などを5年間で集中的に行っていく。それに基づいて必要な予算を措置する」と述べ、交渉参加と農業再生の両立を図る考えを示した。

 首相は関係国との協議について「国益を最大限実現するプロセスの第一歩だ」と主張。昨年11月に菅前政権が「情報収集のための協議」としたTPP参加国との交流について、首相は「さらに歩みを前に出す」と位置づけた。

 一方、慎重派の鹿野道彦農林水産相は11日夜、記者団に「総理は『参加表明』とはおっしゃらなかった。交渉参加を前提とするものではないと理解している」と指摘。首相の表明が交渉参加にはつながらないとの認識を示した。

     ◇

 〈環太平洋経済連携協定(TPP=Trans-Pacific Partnership Agreement)〉 太平洋を囲む国々が国境を超えて、人、モノ、カネの移動を自由にしようという約束。2006年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国で始まった。現在、米国や豪州、ペルー、マレーシア、ベトナムが加わった9カ国が交渉中。米ハワイで開かれる12、13日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で大枠合意をめざす。

 工業品や農産品の関税では、二国間の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)よりも高い水準の100%撤廃を原則とする。関税以外でも、国内外の投資家を差別しないなど21分野でルールづくりを進めている。

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