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首相、原発事故収束を宣言 「冷温停止状態を確認」

2011年12月16日23時59分

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写真拡大福島第一原発の事故収束などについて記者会見する野田佳彦首相=16日午後、首相官邸、仙波理撮影

 野田政権は16日の原子力災害対策本部で、東京電力福島第一原発の事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)の終了を確認した。野田佳彦首相は記者会見で「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と事故収束を宣言した。

 原子炉を安定的に冷やすステップ1は7月に完了。ステップ2は当初、来年1月中旬までに終える予定だったが、首相は年内完了を国際会議で公約。除染や住民の帰還など課題が残る中で「事故収束」をあえて宣言し、安全性をアピールした。国際公約を守るため収束宣言を急いだとの見方もあり、福島県の佐藤雄平知事は「事故は収束していない。多くの県民は不安を感じている」と反論した。

 対策本部では1〜3号機の炉の温度は9月下旬以降100度を下回り、今月15日現在は38〜68度だったと報告された。放射性物質の外部への飛散も毎時6千万ベクレルで、事故時の1300万分の1に減少。発電所の敷地境界で追加的に被曝(ひばく)する線量も最大年間0.1ミリシーベルトと、目標の年間1ミリシーベルトを下回った。

 首相はこうした状況を踏まえ、「万が一トラブルが生じても、敷地外の放射線量が十分低く保たれる点が技術的に確認された」と述べ、冷温停止状態の条件を満たしたと表明。事故収束については「オンサイト(原発敷地内)の問題」と限定し、「オフサイト(敷地の外)では引き続き課題があり、事故の対応はこれで終わったわけではない」と強調した。除染に向けて来年度予算も含め1兆円超を用意し、来年4月をめどに作業員3万人以上を確保して進める考えも示した。

 首相は「住民が安心してふるさとに戻るため、避難区域の見直しについて政府の考え方を近く示す」とも語った。原発から半径20キロ圏内の警戒区域と20キロ圏外にある計画的避難区域を年間放射線量に応じて三つの区域に再編し、段階的に住民の帰還を進める方針。細野豪志原発相らが18日に福島県に出向いて説明する。

 放射線量が高く、住民の帰還まで数十年かかるとみられる地域について、首相は「土地の買い上げ、借り上げも含め、県や市町村と協議したい」と語った。

 国際的な事故評価がチェルノブイリ原発事故と並ぶ最悪の「レベル7」となった事故は発生から9カ月で一つの節目を迎えたが、廃炉作業は30年以上かかる。政権は新たに「政府・東電中長期対策会議」(共同議長・枝野幸男経済産業相、細野原発相)を立ち上げ、廃炉作業の進み具合を検証していくことも決めた。

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