野田佳彦首相が交渉参加の意向を固めた環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、小平忠正国家公安委員長は22日の閣議後会見で「現行の関税撤廃の交渉なら私は反対だ」と明言した。田中真紀子文部科学相も「現場の声を聞いて決めるべきことだ」と慎重な姿勢を示し、閣内から異論が噴き出した。
民主党執行部は総選挙の公認条件として、党議に従うという誓約が盛り込まれた申請書への署名を求めた。小平、田中両氏は署名したことを明らかにしたうえで、小平氏は「申請書にはTPPのことは書いてなかった。党議拘束でいうと、まだ決まっていない」と説明。田中氏は「自分の考えと署名は矛盾するかもしれないが、有権者の考えを総理に伝えることも閣僚の義務だ」と語った。
TPPの交渉参加については民主党内に慎重論が根強く、マニフェストの書きぶりでも調整が続く。首相の足元の閣内から異論が出たことで、党内の慎重派が勢いづく可能性もある。
一方、前原誠司国家戦略相は同日の会見で「(総選挙の)期間中に日米の話し合いがまとまるとは思わない」と述べ、12月16日の投開票前に首相が交渉参加を表明することはないとの見通しを示した。さらに「拙速に参加を決めれば日米交渉にマイナスになり米国に足元をみられる」とも指摘した。