【金井和之】国家石油備蓄基地を管理する独立行政法人「石油天然ガス・金属鉱物資源機構」が、来春に切れる民間3社との委託契約を一般競争入札を行わずに5年間延長しようとしていることが分かった。民主党政権は事業仕分けで一般競争入札を導入したが、経済産業省は入札をしないことを容認しており、エネルギー政策を担う官僚機構を制御できていない格好だ。
全国10カ所の石油備蓄基地の管理は自民党政権下から機構が受注し、民間8社に随意契約で再委託してきた。8社には経産省OBらが天下りするなど不透明さが指摘されていたため、民主党は2009年政権交代後の事業仕分けを受けて一般競争入札を導入した。
しかし、10年2月の入札には8業務に1社ずつしか参加せず、以前と同じ8社が落札して3年間の契約を結んだ。枝野幸男経産相は今年3月の国会で「役所OBが各社にいる。横の連携をしていると疑われてもやむを得ない」と認め、「より実質的な競争が働くように検討する。再就職の状況も整理、把握し、疑いをもたれない状況をつくるよう検討したい」と約束していた。
だが機構は今年6月、苫東石油備蓄、むつ小川原石油備蓄、日本地下石油備蓄の3社に契約延長の意向を伝えた。延長期間は前回入札の3年を超える5年。1社あたりの発注額は5年間で数百億円とみられる。残る5社とは契約延長せずに年内にも入札するという。
機構は委託契約書に「5年間延長することができる」との文言があることを踏まえ、外部有識者の評価委員会で審議した結果とするが、契約延長の文言が入った経緯や天下りが続く中で契約延長に踏み切ることを決めた審議の内容は公表されておらず、不透明だ。
経産省の渡辺健・石油精製備蓄課長は「頭ごなしに問題とは言えない」と容認するが、入札改革を掲げた枝野氏の姿勢とは大きくかけ離れている。
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〈石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)〉 旧石油公団などの統合で04年に発足。経産省所管で石油や天然ガスなどの開発や資金提供を行う。法律に基づき国家石油備蓄基地の管理も委託されている。11年度は国費から管理業務費約500億円が機構へ、このうち約450億円が民間8社へ支払われた。経産省OBが総裁を務める公団時代の慣習を改め、民間人が2代続いて理事長を務めたが、08年に再び経産省OBが理事長に就いた。