野田政権は30日、今年度予算の予備費から8803億円の国費を投じる経済対策を決定した。東日本大震災の被災地の仮設住宅の設備強化などにあてる。地方負担などを含む規模は1.2兆円。
主な項目は来年度予算の概算要求で盛り込まれている成長戦略「日本再生戦略」を前倒ししたもの。
再生可能エネルギーの発電支援事業やiPS細胞を利用した薬の研究支援などに計5354億円。震災の復興や大規模災害に備えた公共事業などには計3448億円つけた。仮設住宅の風呂に追いだき機能をつけたり、大学や小学校の耐震化も進めたりする。
中小企業の資金繰りを支援するために信用保証の規模も広げる。この融資を含めると全体では4.1兆円の規模になるという。
経済対策には、お金のかからない取り組みも盛り込まれた。
昨年のタイの大洪水や最近の日中関係の悪化を念頭に、環境の変化で打撃を受けた日系企業の支援策をつくる。外国為替資金特別会計に積み上がっているドル資金を使い、国際協力銀行(JBIC)を通じて貸し出す。企業再生支援機構が、今の法律が切れる来年4月以降も中小企業を支援できるようにする。
このほか、ベンチャー企業の上場の促進や、独創的な若手研究者の育成などをめざして、70の規制緩和を進める。
野田政権は、国内の景気が後退局面にきているとして、10月に今年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」、「東日本大震災復興特別会計予備費」などの予備費から4千億円を使った経済対策を行った。今回は第2弾。内閣府は、実質国内総生産(GDP)を0.2%押し上げ、8万人の雇用を創出する効果を見込む。
経済対策の第3弾として今後、本格的な補正予算を編成する方針だが、衆院選で政権が交代すれば実施できるかはわからない。