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〈ネットはいま〉第1部―1 ジョーって誰?

2008年11月10日14時17分

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写真最後の大統領候補討論会で聴衆に手を振る共和党マケイン(右)、民主党オバマ両氏=AP

 先月15日夜、米ニューヨーク州ヘンプステッド。大統領選最後の候補討論会があった。選挙戦の山場。有権者はテレビ中継の共和党マケイン(72)、民主党オバマ(47)両候補に目を凝らし、主張に耳を傾けた。と同時に、その手は――パソコンのキーボードをたたいていた。

 両候補の間で繰り出される話を次から次へと、検索サイトで調べていたのだ。検索サイトのグーグルは、討論会の間にどんな言葉がどれだけ検索されたかを、10分おきに調べて公表した。中絶問題、教育制度。検索数が跳ね上がった政策課題に交じって、利用者は「配管工ジョー」をネットで探し始めた。

 マケイン氏が「ジョー」のことを口にしたのは、討論開始から6分20秒後だった。

 このオハイオ州在住の人物は、オバマ氏が同州を遊説で訪れた際、同氏の税制政策に疑問の声をぶつけていた。マケイン氏は「ジョー」を引き合いに「オバマ氏は増税論者」と攻撃。オバマ氏も「ジョー」の名を挙げて応酬する。だが、この市井の人物のことなど誰も知らない。

 「ジョーって誰?」。開始後10分、「配管工ジョー」の検索件数が急上昇した。討論会で20回以上も連呼された「陰の主役」は、ネット検索でも瞬間的に有名人になってしまった。

 「マケイン」「オバマ」。グーグルが公開しているデータによると、両候補者名による検索件数も、選挙戦の最終盤、10月末までの3カ月間で6倍前後に跳ね上がった。

 米国の学生がこの公開データを使い、民主党の予備選について、州ごとに候補者名の検索件数と、実際の結果を比較してみた。すると、データがそろった32州のうち、検索件数の多寡が予備選の結果を言い当てたケースは27州、「正解率」が8割を超えたという。

 「人々が重要な判断をするとき、今や検索は欠かせない」。米ネット検索マーケティング会社「ディディット」のデビッド・パスターナック社長(55)はいう。商品やサービスを選ぶとき。「もちろん、候補者を選ぶときもだ」

 テレビ広告や新聞広告に加え、検索サイトに表示される広告にも選挙資金はつぎ込まれ、両陣営のネット広告費用は「数億円規模」とも見られている。「テレビや新聞を見たあとは、検索だ。今の有権者のそんな流儀を、政界関係者は理解しておく必要がある」(パスターナック社長)。ネット検索が政治家を選ぶ時代は、もうそこに来ている。(ワシントン=勝田敏彦)

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