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〈ネットはいま〉第1部―10 迷惑サイトのゆくえ その二

2008年11月17日13時50分

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写真ニフティは、機械的に作成される迷惑ブログを1日に約1億ページ選別する=東京・品川、谷沢隆撮影

 日本語のブログの数は、英語を抜いて世界一――。07年4月、米ブログ検索会社テクノラティがそんな調査結果を公表した。「なぜ世界一に?」。総務省情報通信政策研究所の主任研究官、佐伯千種さん(41)は、国内のブログの実態調査を始めた。

 その結果、今年1月現在で、ブログの数は約1690万。月1回以上書き込みがある約300万のうち、約12%が「迷惑ブログ」だった。

 商品の羅列、ニュースサイトなどの無断コピー。目的は収入。そんな大量のページがブログ数を膨張させていた。「迷惑ブログのために、必要な情報が埋もれてしまう」と佐伯さん。

 「1日に約1億ページの迷惑ブログを選別しています」。大手プロバイダーのニフティは、迷惑ブログを自動的に排除する技術を開発、今年3月に発表した。担当マネージャーの上符裕一さん(33)は、その「威力」をこう説明する。

 この技術でブログ10万ページのサンプル調査をしたところ、4割が迷惑ブログに該当したという。

 決まった時間帯に、機械的に、大量に作成される。そんな特徴から判別する。「それでも、くぐり抜ける迷惑ブログはある」と上符さん。2千万ページをプログラムで自動作成していたケースも。同種のプログラムは、わかっているだけで100種類以上ある。大量のページ配信はネットを渋滞させ、一般の利用者にも迷惑がかかるという。

 これらのブログを含む迷惑サイトは、ネット通販への誘導により報酬を得る「アフィリエイト」が目的のものも多い。

 ネット通販大手・楽天の、アフィリエイト担当のグループリーダー、小嶋良太さん(31)は「検索サービスは迷惑サイトをはじくようになってきた。いずれ無意味なページは消えていくはず」と話す。同社のアフィリエイトの利用者は約200万人。「アフィリエイトで何らかの実害が出たという話は、聞いていません」

 迷惑サイトにまつわる「金」には、国税当局も関心を持つ。東京国税局は00年に電子商取引専門調査チームを設置。大阪、名古屋とも連携する。同局担当者は「大量のブログなどによるアフィリエイトの脱税も見ている。巧妙な手口が増えて職員や組織も拡大する一途だ」。

 ネットに詳しい牧野二郎弁護士(55)によれば、「防止法」がある迷惑メールと違い、迷惑サイトを規制する法的手立ては今のところない。「ただ、公共の場とも言えるネットに、悪影響を与えているのは確か」。第一の責任は、それを作る人たちにある。「だが通販サイトなど、その仕組みにかかわっている関係者も、何らかの対応が必要ではないか」(竹原大祐)

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