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〈ネットはいま〉第1部―11 顔がカギになる

2008年11月18日13時51分

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写真四角い枠が顔の映像をとらえ、身動きしても絶えず追跡する=長原匡史撮影

 検索の“カギ”になるのは、言葉だけとは限らない。「顔」でさがすこともある。

 「では、カメラに映ってみてください」

 パソコンにつながれたカメラが、前にいる数人を液晶画面に映し出している。一人ひとりの顔には四角い枠が重なる。身動きするにつれ、向きや影も変わる顔の映像。それを、システムが絶えず追跡している。

 勧められるまま、カメラの視野に入り込んでみる。ピッという鋭い音とともに、顔の周囲を枠がとらえ、その上に名前が表示された。事前にパソコンに登録してあった記者の顔写真と、現実の「顔」が瞬時に一致したのだ。

 沖電気工業が開発した顔識別システム「FSE」は、目・眉・口などの特徴を数値化し、動画や写真の中から、特定の顔をさがし出す。本人だけではなく、似ている顔も。

 のべ利用者数約975万人の人気携帯電話サイト「顔ちぇき!誰に似てる?」は、自分の顔写真をメールで送ると、どの有名人に、どれくらい似ているかを判別してくれるサービスだ。その顔さがしにFSEの技術が使われている。

 個人の顔を識別して入退出などに利用する「顔認証」のほか、デジタルカメラ、携帯ゲーム機。用途ごとの調整が容易で、国内外の1千万以上の機器やサービスに組み込まれている。

 性別や大まかな年齢も区別できる。「街頭の電子広告(デジタルサイネージ)などで、通行人に合わせた広告表示も可能」と井上清司・同社ヒューマンセンシング事業推進部長(46)。「もちろんインターネットでも応用できます」

 自分や家族、かつての同級生の写真を“カギ”にして、ネット上の画像を集めてみることもできる。「肖像権や著作権を侵害した写真・動画の検出にも使えるでしょう」

 グーグルも画像検索に力を注ぐ。検索担当のマリッサ・メイヤー副社長は今年5月に来日した際、「最もエキサイティングな分野の一つ。いつか、画像に映った顔や文字を直接検索できるようになる」と話した。約4カ月後、同社は写真管理ソフト「ピカサ」(英語版)に、その「顔検索」機能を搭載している。

 デジタルカメラの写真なら、撮影時間などが記録される上、様々な情報が書き込める。写っている人の名前、撮影時の様子。全地球測位システム(GPS)を使えば、正確な位置まで。

 こうした情報と顔認識を組み合わせれば、過去から現在へ、個人の行動の追跡さえ難しいことではなくなる。

 SF映画のような、きらめく未来と怖い未来。どちらも、現実味が出てきた。(丹治吉順)

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