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〈ネットはいま〉第2部―3 タダ同然になる

2009年2月4日14時5分

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写真クラウドを使ったサービスの展示会には、多くの参加者が詰めかけた=昨年12月、東京・丸の内

 色鮮やかな製品の画像がネットを行き交う。

 様々な生活雑貨を取りそろえる東急ハンズ(本社・東京都渋谷区)。デザインにこだわった商品も多く、社員は高画質で大容量のデータを取引先と頻繁にやりとりする。メールの受信箱はすぐいっぱいに。

 「以前のシステムのメール容量は10メガバイト。いまはまったく容量を気にせずに済む」と同社の長谷川秀樹IT物流企画部長(38)。

 1月から社内システムに「グーグルアップス」を採用した。1利用者あたり月6千円。グーグルのメールやスケジュール管理、文書作成ソフトなどを、ネット経由で使える企業向けサービスだ。低コストが導入の理由。メール容量は2500倍の25ギガバイトになった。

 「アップス」は、「雲」のようなコンピューター群から様々なサービスが降り注ぐ、「クラウド(英語で雲の意味)」の一つ。しかも、サービス保証などが付かない標準版なら、無料だ。

 なぜそんなことができるのか。背景に、半導体の性能が1年半ごとに倍になるという「ムーアの法則」がある。半導体最大手、米インテルの共同創業者が提唱したこの経験則に従って、性能は倍増を続け、価格は下がり続ける。

 10ギガフロップス(毎秒100億回の計算能力)のコンピューターは、91年に40億円だった。05年には50万円だ。

 光ファイバーなども普及。無償の基本ソフト「リナックス」で動く安価なコンピューターを多数つなぎ、巨大なクラウドとして運用する技術でさらにコストは下がる。グーグルではその数が100万台を超す、と見る専門家もいる。 進化する広告も「無料」を加速する。動画もメールもソフトにも、広告がつく。利用者が使うたび、その情報が蓄積され、分析され、ますます効果的な広告を配信するようになる。

 08年10〜12月期、グーグルの売上高は前年同期比18%増の57億ドル(約5千億円)。大半をネット広告が占める。辻野晃一郎社長(51)は「不況の中、強い成長を続けている」と話す。

 ネット通販の米アマゾン・ドット・コムも、自社のコンピューター機能を貸し出すクラウド・サービスを展開。08年10月から本格的にサービスが始まった「EC2」は1時間あたり0.1〜0.8ドル。100円足らずだ。

 「クラウドによって、情報発信と入手の壁を引き下げられれば、コンテンツや利用者同士がつながり、価値が生みだされる」とグーグルの徳生健太郎製品企画本部長(40)。

 ビジネスのルールが、変わり始めている。(木村和規)

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