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10月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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(核リポート)核抑止論と核廃絶論 つなぐ営み、広島で

写真:国際平和シンポジウムで講演するパトリシア・ルイス氏=7月27日、広島市中区、高橋一徳撮影拡大国際平和シンポジウムで講演するパトリシア・ルイス氏=7月27日、広島市中区、高橋一徳撮影

写真:ひろしまラウンドテーブルの初会合=7月29日、広島市、田井中雅人撮影拡大ひろしまラウンドテーブルの初会合=7月29日、広島市、田井中雅人撮影

 【田井中雅人】核抑止論と核廃絶論のギャップを埋めるには――。広島原爆の日を間近に控えた7月下旬、広島で開かれたシンポジウムや会議を取材しながら、そんなことを考えた。駆けだし記者の頃、広島県の支局に赴任した私にとって、広島は第二の故郷だ。

「核兵器の非人道性」指摘 広島で国際シンポ

 その後、赴任や留学で中東や米国に滞在し、核抑止論が幅を利かせる現状を目の当たりにしてきたが、改めて核廃絶を求める広島の原点に立ち戻ってみた。

 被爆50年の1995年8月6日の前夜には、平和記念公園周辺で被爆者の方々の声を徹夜で聞いた。再来年は被爆70年。高齢化が進む被爆者たちに残された時間は少ない。核廃絶を求める彼らの願いは、世界に届くのだろうか。

 7月27日に広島国際会議場で開かれた国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道〜核兵器の非人道性と被爆体験の伝承」で基調講演した英国王立国際問題研究所のパトリシア・ルイス氏は、1995年のキャンベラ委員会、99年の東京フォーラム、2006年のハンス・ブリクス国際原子力機関(IAEA)元事務局長による大量破壊兵器委員会(WMDC)、09年のオバマ米大統領のプラハ演説といった核軍縮への取り組みを紹介した。しかし、米国に7700発、ロシアには9千発の核弾頭が残り、各900発ずつはなお即時発射態勢にある現状に触れ、「リスクは高いままだ」と警鐘を鳴らした。

 講演を聴きながら、昨年秋、留学先の米ハーバード大で聴講した核問題の授業の場面が頭に浮かんだ。クリントン政権で核問題顧問を務めたマシュー・バン教授は1回目の授業で、広島・長崎の被爆直後の写真や福島第一原発事故を含む核問題についてのスライドを見せたあと、学生らにこう問いかけた。

 「もし君がアルカイダの技術者だったら、どちらの材料で核兵器をつくりますか。(1)8キロのプルトニウム(2)20キロの高濃縮ウラン。それぞれの製造法と開発の成功率は……」

 核兵器が実戦配備されている米国では、テロリストに技術や材料を盗まれ、現実に使われうるものとして扱われている。次代の外交政策を担う学生らにも、そのように教えていることに改めて衝撃を受けた。

 東アジアで北朝鮮や中国の軍事的脅威にさらされる日本で、米国の「核の傘」への信頼性が失われれば、どうなるか。プルトニウムをためこんでいる日本は、核兵器開発に乗り出すかもしれない。米国では、そんな議論も何度となく聞かされた。まだまだ核抑止論が根強いと感じた。

 どうすれば乗り越えられるのか。

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