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11月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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(国際平和シンポ)パネリスト冒頭発言

写真:(左)アンドルー・ゴードン氏、(右)渡邉英徳氏拡大(左)アンドルー・ゴードン氏、(右)渡邉英徳氏

写真:(左)成田龍一氏、(右)保田麻友氏拡大(左)成田龍一氏、(右)保田麻友氏

■アンドルー・ゴードンさん(米ハーバード大歴史学部教授)

 3・11の惨劇を知り、将来のためにデジタルで記録を残そうと思った。デジタルアーカイブは被爆体験を伝えていくことでも効果を発揮する。

 私のプロジェクトには「連携」「発見」「参加」の三つの要素がある。「連携」は、地元の人たちの証言や資料などのデータを、ほかの様々なアーカイブと結びつける仕組み。例えば「石巻」と入れて検索すると関連ウェブサイトやツイート、動画が示され、新たな「発見」につながる。

 特に大事なのが「参加」だ。閲覧者が重要だと思うサイトや証言などをアーカイブに投稿し、つけ加えられる。ただし、今あるサイトが将来なくなる恐れもあるので、データの保存には注意すべきだ。

 若い人たちほどデジタル媒体で情報にアクセスする。次世代に被爆の記憶を残し、受け継いでもらうためにもデジタル化は有用だ。

     ◇

 専門は日本史。ハーバード大が日本の様々な機関と協力した「東日本大震災デジタルアーカイブ」を構築した。61歳。

■渡邉英徳さん(首都大学東京システムデザイン学部准教授)

 「ヒロシマ・アーカイブ」を2011年に公開した。デジタル地図上に表示される被爆者の顔写真をクリックすると、体験談を読める。どのくらいの範囲にどんな被害を受けた人がいたのか一見してわかる。

 広島の町を歩きながらアイフォーンなどで閲覧し、被爆を追体験できるプロジェクトも進めている。

 制作メンバーには広島女学院高校の生徒をはじめ、たくさんの地元の若者が加わった。今も被爆者らへのインタビューを続けている。広島の次代を担う子たちが聞いたからこそ、これまで語っていなかった体験を伝えてくれた人もいる。

 地元の若者たちと東京の我々、語り部の被爆者の方々が手を取り合って、未来に記憶を紡いでいく。僕はこの仕事を始めて、人が好きになった。デジタル技術と人とのつながりで何かが生まれる。それが広がればいい。

     ◇

 わたなべ・ひでのり ヒロシマ・アーカイブのほかナガサキ・アーカイブ、東日本大震災アーカイブなどを作成。38歳。

■成田龍一さん(日本女子大人間社会学部教授)

 被爆体験の伝承について、原爆文学に即しながら考えてみたい。初期の頃は、被爆の体験が語られた。1970年ごろからは、歴史的な射程で、分析的な意味づけをする「証言」が語られるようになった。いまは大多数が戦争体験者の孫の世代。被爆した人の見たこと聞いたことを、いかに「記憶」として継承していくのかという段階になった。

 記憶の受け手となる世代は新しいメディアに慣れ親しんでいることが見逃せない。体験から証言、証言から記憶という移り変わりとともに、伝え方も新たな状況を迎えている。

 原爆文学は、被爆を追体験するひとつの領域になった。核の時代に生きていることの意味を理解する一助になり、さらにその不安を描き出すものとなった。今後、我々が被爆体験を語り継ぐ上で、原爆文学をめぐる議論は貴重な財産だ。

     ◇

 なりた・りゅういち 専門は日本近現代史。戦争文学に詳しい。著書に「『戦争経験』の戦後史」(岩波書店)など。61歳。

■保田麻友さん(「被爆体験伝承者」候補者)

 毎年8月6日に原爆ドーム近くの元安(もとやす)川であるとうろう流しに、10年前から運営メンバーとして参加している。また、施設で暮らし、とうろう流しに来られない被爆者の方のために「Peace Porter Project(ピース・ポーター・プロジェクト)」を設立し、とうろうを預かり、体験をお聞きするボランティア活動も続けている。

 被爆者の高齢化が進み、近い将来こうした活動は成り立たなくなる。その時から、私たちの世代の伝承が始まる。私は今、広島市の被爆体験伝承者の養成事業に参加している。伝承者としていかにあるべきか。若者が平和を考え、何かに携わりたいと思ったときに、きっかけとして参加できる入り口のような存在でありたいと思う。

 私たちは被爆者の声を直接聞けた最後の世代として、ヒロシマで起きたことを後世へ伝える使命がある。

     ◇

 やすだ・まゆ 広島市出身、被爆3世。とうろう流しを通じて被爆者と交流を続け、被爆体験伝承者の養成事業に参加。28歳。

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