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混乱の地へ 最初は慎重に @ソマリア・モガディシオ

写真:内戦で破壊された建物をウガンダ軍の兵士らが利用している=モガディシオのアフリカ連合(AU)軍基地、中野智明氏撮影拡大内戦で破壊された建物をウガンダ軍の兵士らが利用している=モガディシオのアフリカ連合(AU)軍基地、中野智明氏撮影

 海岸沿いにあるソマリア・モガディシオの国際空港に降りる。26日午前11時半(日本時間午後5時半)、駐機場にはこの朝ナイロビから到着した2機のジェット旅客機がすでに駐機していた。

 10年前の1月にここを訪れた時、「国際空港は武装勢力同士の戦闘で荒れ果て、滑走路は子どものサッカー場になっている」と書いた。その空港ににぎわいが戻り、小さいけれど立派なターミナルもできていた。

 到着ロビーの外で、アフリカ連合(AU)軍の担当官が待っていた。モガディシオ周辺にはウガンダを中心としたAU軍が展開している。AU各国から派遣された警察官もいて、現地の治安維持や警察官の訓練にあたっている。空港周辺は、そのAU軍の基地になっている。

 事前に26日と27日の同行取材と宿泊を頼んでいた。そのまま基地の報道陣用の一角に案内された。この日訪れたメディアはフォトジャーナリストの中野智明さんと私の一行だけだった。

 「そこに暮らす人々の話を、思いを聞きたい」と言っておいて、「いきなり軍の同行か」と言われても仕方がない。だが、イスラム武装勢力のシャバブは重要拠点をAU軍に制圧されながら、なお各地でテロを起こしている。だから、まずは現地の情勢をみてから、町に出ることにした。AU軍を離れて行動する時には、武装した警備員を自前で雇うことになる。

 2人の宿舎には、コンテナハウスの一室をあてがわれた。パイプベッドが四つと学校にあるようなロッカーが二つ、プラスチックの椅子があるだけだが、冷房がきいて宿泊費は無料。朝、昼、晩の食事は基地のはずれまで車で移動し、それぞれ1人25米ドル(約2千円)かかる。

 この日は警察のパトロールに同行するはずだった。基地の外に同行する時はヘルメットと防弾チョッキの着用を求められるので、その試着をして待っていたら、ちょうどイスラムのお祭りとぶつかって、警備に忙しく対応する余裕がなくなったといって取りやめになった。

 27日は車で3時間ほどかけて、前線に連れて行ってくれるという。

 朝夕は肌寒く感じるナイロビから来ると、海っぺたのモガディシオはむっとする暑さだ。でも夕暮れ時になれば、心地よい風に変わる。

 内戦で破壊された建物の残骸も利用し、基地は砂地に広がる。間近に望む海には何隻もの貨物船が停泊している。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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