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09月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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旅に欠かせぬものは… 持ち物・生活を紹介 @ナイロビ

 ケニアに来るときに決めていたソマリア、南スーダン、コンゴ(旧ザイール)への旅を、いささか慌ただしく終えた。もともと小さな話の集合体のようなこのページだけれど、さらに細かい旅の報告をしておく。

     ◇

 【持ち物編】大きなトランクは「機動特派員」の機動力をそぐので、持って行くのはデイパックと機内持ち込み可のスーツケース1個にしている。パソコン、カメラはデイパックに入れて常に持ち歩いている。ナイロビのショッピングセンターのカフェでこれを書いている今も、両方持っている。移動時はここに寝間着のジャージーが加わる。

 スーツケースには衛星通信用のBGANという、小さなパソコンほどの大きさの機械がまず入る。これに衛星電話、ケニアで買ったサンダル、換えのズボン、シャツ2枚、それに5日分の下着を入れる。抗生物質や消毒薬などの薬、洗面用具一式、蚊取り線香も。ソマリアと南スーダンへはこれにバスタオルを加えたので、パンパンになった。

 蚊取り線香を使ったのは南スーダンだけ。何もかもが蚊取り線香くさくなってしまうのが困る。電気蚊取り機があったはずでは、と思う人は大変熱心な読者だ。その電気蚊取り機は南スーダンのホテルに置き忘れてしまった。

 あんなものを忘れるとは、と自分でも思う。置物のように見えるので、ホテルの内装にとけ込んでしまったのかもしれない。

 置き忘れたといえば、くしも南スーダンで。アフリカの男性はくしを必要としない髪の人が多いので、ケニアで代わりを探すのに苦労した。

 ノートには困っている。使いやすいのがなかなかない。片手で持てて立っていても書きやすいのが理想だけれど、こちらのノートはふにゃふにゃしているのが多くて、書きにくい。

 携帯電話は二つ持っている。会社から支給されたスマホはローミング契約したので、日本から「080…」でそのままつながる。ソマリアではつながらなかったけれど。電話だけなので、ツイッターにはつなげられない。

 もう一つは、ケニアでSIMカード込み2千円ほどで買った。安っぽいけれどソマリア、南スーダン、ブルンジでもSIMカードを入れ替えて使えた。

 ノートやペン、パスポート、財布、2個の携帯電話、名刺入れ、そしてあのGPS装置は、釣り用のサファリ風ジャケットに常に持ち歩いている。

 いまどき、記者でもこれを着ている人はあまりいないけれど、12年前にも着ていた。この時に買ったのか、その5年ほど前にボスニア紛争を取材したときに買ったのか、よく覚えていない。悪いことに白っぽい色なので、毎回、ナイロビに戻るころにはすごく汚れている。

 すごく便利なのがサンダルだ。入社したてのころに支局でサンダルを履いていて「新聞記者がサンダルなんか履くな。もし、事件が起きたらすぐに走っていけないだろう」と怒られた。これも機動特派員の機動性をそぐものではあるけれど、許してもらおう。これを履かないと、原稿がはかどらない。

 いつも持って行かずに後悔するのが電子辞書だ。いろいろと調べものをしないと、原稿は書けない。通常はネットで調べられるのだが、ネット接続が難しい場所もあるので、そうなると調べが進まず、原稿を書けなくなる。百科事典やもろもろが入った電子辞書があると助かるのだ。

 本が恋しい。前に書いたけれど、持ってきたのは森本哲郎さんの「人間へのはるかな旅」だけで、常に旅先にも携帯するけれど、何度も読んだのでページを繰ることはない。

     ◇

 【生活編】だいたい毎日、朝6時半に起きる。日本にいたときは毎日、寝るのが午前2時ごろだったから、6時半なんかに起きることはまずなかった。

 旅先では携帯電話のアラームを6時半にセットするけれど、いつも鳴る前に起きてしまう。やはり年だろうか。ネットがつながるときは、だいたい朝食の前後にツイートすることが多い。できるだけ140字ぴったりにしている。ずぼらな性格なのになんでそうするのか、自分でもよくわからない。

 日本では、昼食を食べていなかった。ナイロビにいるときも、たいてい食べていない。旅先では食べたり食べなかったり。コンゴでは2度、夕食を抜いたけれど、それは昼食を食べ過ぎたのと、原稿を書いていて食べそびれたのが理由だ。

 ブルンジもルワンダもコンゴも、レストランはフランス料理風のものが多い。ブルンジでタンガニーカ湖産のムケケを何度か食べたのと、コンゴのバッタ以外、この3カ国ではあまり印象に残っていない。

 旅先ではお酒を飲まないようにしている。飲んだくれていた日本での生活が信じられない。体調管理と、取材したことはできるだけその日のうちに原稿にして書いているので、時間がないというのが実情だ。

 だから、ナイロビに戻ると飲んだくれる。昨夜も杉山正ナイロビ支局長と飲んだが、疲れていたのかかなり回ってしまった。

 「アフリカの風に吹かれて」がいつまで続くのかわからないけれど、日本に戻った時に恐ろしいのが経費計算だ。すでに米ドルと日本円を含めると8カ国の通貨を使っている。

 通貨で思い出したが、アフリカのお札は汚い。高温多湿のところが多いのと、紙の質がよくないからだろうが、しけって今にも破れそうなのが多い。どんどん刷ってもらって換えればいい、とは言わないけれど。

 というわけで今度の風はどこへ向かって吹くのか。「せっかくページに大きな地図があるので、大きく飛んでください」と担当デスクが言うので、西アフリカで吹かれてみようかと思っている。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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