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11月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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記事が届く喜び 読者のみなさんの力をお借りして

 10年前、10年前と連呼しているのでもう聞き飽きた方も多いでしょうが、その10年前、アフリカの特派員として一番悩んだのが、記事を届けたい人には届かないということでした。

 私たちは日本の新聞社ですから、当然、読者は日本の人たちです。でも、アフリカにいて取材する相手は色んな問題を抱えたり、傷ついたり、喜んだりしているアフリカの人たちです。日本語のできない人には、今もなお記事を届けるのは難しいことです。そして当時は、アフリカに住む日本人の方々にも記事はなかなか届きませんでした。

 今回、いい加減な旅を続けていて、アフリカにいる方々に「見た」「読んだ」と言ってもらえるのは、10年前を考えるととても新鮮でうれしい体験です。

 そんな縁で、ソフトボールの試合にも参加させてもらいました。「これも『風に吹かれて』になりますか」と聞かれ「さすがになりませんよ」と答えましたが、書いてしまいました。

 南スーダンを訪れた時は、オーストラリアで国際開発の仕事をしている日本人の方から、南スーダンでNGOを立ち上げたので取材してほしい、と東京の朝日新聞を通じて連絡がありました。残念ながら、もう南スーダンを去った後でしたが、たまたま読んでくださった方との「コラボレーション」も、できればしていきたいと思っています。

 現地に住んで、アフリカの特派員より現地のことを知っている日本人の方はたくさんいらっしゃると思います。少しずるいですが、そういう方々のお力も拝借できればと勝手に考えています。

 コンゴに向かう途中、朝日新聞の沢村亙ヨーロッパ総局長からメールをもらいました。ロンドンから休暇を利用してルワンダに入っている岸上有沙さん(30)が可能なら話をしたい、という連絡でした。ケニア・ナッツ・カンパニーの佐藤芳之さん(73)とルワンダを回っているということでした。佐藤さんはケニアでマカダミアナッツを育て、現地で有数の食品会社をつくりあげた方です。

 ちょうどルワンダに向かうところだったので、キガリに着いた夜、夕食をともにしました。日本の援助の問題点や、企業がどのようにアフリカの国々にかかわれるか、中国、韓国のアフリカ進出のたくましさなどについて、2人から話を聞きました。

 2人は木を見て歩いているのだということでした。佐藤さんによると、ルワンダは人類が農耕を始めたころから耕されて土壌が疲れてきている。だから、いい木を育てるには、まず土を育てないといけないとのことです。

 そこで菌根菌という菌を培養して土を育て、そこにいい木を植えるのだと言っていました。「5年先ですかね、実が落ちるのは。それから10年が勝負です」

 ルワンダでの事業展開について佐藤さんは語ります。15年先を見据える。それは、アフリカに根を下ろして生きてきたからこその言葉なのでしょう。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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