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ララの死、動物園の再生を目指して @アビジャン

写真:空になったライオン舎=写真はいずれもアビジャンで8日、江木慎吾撮影拡大空になったライオン舎=写真はいずれもアビジャンで8日、江木慎吾撮影

写真:人なつこい動物が多い拡大人なつこい動物が多い

写真:クレイグ・ヒチコックさんとサル拡大クレイグ・ヒチコックさんとサル

写真:遠足の一行も拡大遠足の一行も

写真:土曜日とあって、おりの周りにはグループ客も拡大土曜日とあって、おりの周りにはグループ客も

写真:ゾウはどこでも人気もの拡大ゾウはどこでも人気もの

写真:チンパンジーは1カ所に集める計画拡大チンパンジーは1カ所に集める計画

写真:やせこけた雌ライオン「ララ」=2011年4月21日、アビジャン、古谷祐伸撮影拡大やせこけた雌ライオン「ララ」=2011年4月21日、アビジャン、古谷祐伸撮影

 ララは死んでいた。朝日新聞に載った写真を見た人で、いまも生き続けていると思っていた人は少ないかもしれない。ララはコートジボワールのアビジャンにある国立動物園の雌ライオンだった。

 2011年4月、前年の大統領選後の混乱の中で次々と餓死していたこの園の動物について、当時の古谷祐伸ナイロビ支局長が記事を書いた。そこにつけられた古谷記者撮影の写真は、もはやライオンとは呼べないような哀れなララの姿を写していた。

 動物の話題は、アフリカ特派員の大事なテーマなので、こちらはなるべく触れないようにと思ったが、その写真があまりに衝撃的だったので、つい動物園に立ち寄った。おそらく生きてはいまいと思ったが、案の定、ライオンのオリは空になっていた。

 ここに05年ごろから通い、今は運営にもかかわる英国人ボランティアのクレイグ・ヒチコックさん(64)が案内してくれた。

 園はこんもりとした丘の上にある。土地の半分ほどしか今は使っていない。希少なワニやコビトカバ、シンリンゾウのほか、チンパンジーや様々なサルなどがいる。オリの外に柵があまりないせいか、人に寄ってくる動物が多いように思える。

 使われなくなったゾウの展示場などをみると、広さといい、自然なつくりといい、昔は先進的な展示を心がけていたようだ。最近の混乱だけではなく、長年かけて次第に荒れていった様子がうかがえる。

 混乱の中で死んだ動物はライオンやワニなど肉食のものが多かった。ハイエナは肉以外も食べるので生き延びたのだという。ライオンを新たに連れてくる計画も持ち上がってはいるが、肉食獣はもう少し、園の財政状況が安定してからと考えているらしい。

 ただ、動物たちの危機は日本だけではなく、各国のメディアが取り上げ、それによって多くのNGOが協力を申し出るようになった。今は動物にもえさをきちんと与えることができているという。

 展示の配置を換えたり、今は別々に飼育されているチンパンジーを一緒にするなど、新しい計画がいろいろ持ち上がっていて、園は活気を取り戻しつつあるとヒチコックさんは話した。訪れた土曜日、遠足の子どもたち、家族連れ、恋人同士とおぼしき人たちが、園内をめぐっていた。

     ◇

■2011年の記事から

 2011年4月に古谷祐伸・前ナイロビ支局長が書いた記事です。

 コートジボワール、混乱の果て 国立動物園で餓死相次ぐ

 アフリカ西部コートジボワールの最大都市アビジャンで、国立動物園の動物たちが、次々飢え死にした。昨年11月の大統領選をめぐる混乱のためだ。

 動物園前には「SOS」と助けを求める看板。飼育員が案内した先には、骨と皮ばかりの雌ライオン。よたよた立ち上がり、すぐに転がった。18歳の「ララ」だ。どの動物も、元気がない。勤務歴16年のフェリクス・ウフエさん(53)は「今年はエサ代も職員の給料ももらっていない。人間は助け合える。動物は違う。このままでは墓場だ」。

 アビジャンでは3月末から市街戦が続き、職員は出勤できなかった。戦闘がほぼ終わった今月中旬に職員数人が戻ると、12歳の雄ライオン「シンバ」や鳥、サル、ワニなど数十匹が餓死していた。フェリクスさんは「人間が招いた最悪の事態に、何もできなかった」と涙を流した。

 大統領選の混乱は収束に向かい、国際社会が当選を認めたワタラ元首相が国家再建に乗り出した。だが、動物たちへの対応にはまだ手が回らない。ごくまれな来訪者が持ち寄るわずかの食糧が、動物たちの生命線だという。(アビジャン=古谷祐伸)

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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