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09月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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仏領から25分で「最貧国」、島国コモロで正月@モロニ

写真:コモロ最大の島ヌジャジジャにある首都モロニの夕景。活火山のカルタラ山が見下ろす=12月31日、いずれも江木慎吾撮影拡大コモロ最大の島ヌジャジジャにある首都モロニの夕景。活火山のカルタラ山が見下ろす=12月31日、いずれも江木慎吾撮影

写真:モロニの海岸。溶岩が海にせり出している拡大モロニの海岸。溶岩が海にせり出している

写真:コモロには、果実を食べる独特のコウモリがいる。カラスほどの大きさがある拡大コモロには、果実を食べる独特のコウモリがいる。カラスほどの大きさがある

写真:木の上で果実を食らうコウモリ。わかりにくいけど拡大木の上で果実を食らうコウモリ。わかりにくいけど

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 と書いたが、年賀状のようなもので、実は今まだ日本時間の31日だ。

 島国根性の抜けない人間としては、島国で正月を迎えようということで今回、雨ばかり降るナイロビを後にして、アフリカ東海岸の二つの島国、コモロとマダガスカルを訪れることにした。コモロは2000年以来、マダガスカルは02年以来になる。

 00年のころのコモロは、悪い意味で記録的な国だった。フランスから独立して以来、25年間で未遂を含めて19回もクーデターが起きていた。どうしてそんなに頻発するのかを知りたかった。

 マダガスカルには「二都物語」を取材に訪れた。英国の文豪ディケンズの小説は、ロンドンとパリを結んだ愛の物語だったが、マダガスカルの場合は02年に文字どおり、二つの首都ができてしまった。

 今回はその後を訪ねるということだが、それ以外にもたとえばコモロはいくつかの島の帰属や領有権をめぐる争いを抱えている。大統領が三つの島からの持ち回りだったり、活火山が控えていたり、珍しい動植物がいたりと、いろいろ知りたいところのある国だ。もっとも、相変わらず言葉もできないのにふらふらと計画性もなく来てしまったので、何ができるかはわからない。そう、両国ともフランス語圏にある。

 さて、午前8時40分にナイロビを出発したケニア航空機は、昼前にいったんフランスに降りる。もちろんフランス本国ではなく、フランスが海外県としているマヨット島の空港だ。

 この島は住民投票で独立せずにフランスに帰属することを求めたため、以来、仏領のままだ。コモロは、自国の一部だと主張している。コモロの国旗は四つの島を示す四つの星をかたどっている。その一つがマイヨットを表している。

 というわけで、ほんの1時間弱、フランスへ寄り道をした。飛行機の窓から眺める島は、まさにサンゴ礁に囲まれたリゾートという趣だ。コモロがアフリカでも最も貧しい国の一つであるのと対照的に映る。

 マイヨットからコモロ最大のヌジャジジャ島の空港までは25分ほどの短い飛行で着いた。真っ黒な溶岩の島に、まばらにヤシの木などの緑が見える。この国は深刻な森林の減少にも見舞われている。

 空港から首都モロニの中心部までは車で25分ほど。年も押し詰まった日曜日、方々で結婚式が華々しく執り行われていたが、激しい雨に水を差されていた。イスラム教の国なので、あまり西洋暦の新年は関係ないらしい。

 市内に入ってしばらく行くとサイレンの音がして、タクシーの運転手が車を道ばたに寄せた。イキリル大統領の一行が通り過ぎる。車列7台、アフリカの大統領としては質素な一行だった。

 雨がやまず、車で軽く市内を1周しただけで夕方になってしまった。夕食後に晴れたのでホテルの庭に出たら、大きなコウモリが飛んでいる。羽を広げると日本のカラスぐらいの大きさだ。木にとまっているのもいて、何かの実を食べて種を下に落としている。

 コモロには何種類かの希少なコウモリがいるらしい。周りの海にはジュゴンもいれば、絶滅したと長年思われていた「生きた化石」、シーラカンスも潜んでいる。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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