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09月25日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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行き当たりばったりの旅、もう限界か @ナイロビ

写真:コモロでは日陰がありがたかった=2日、モロニ、いずれも江木慎吾撮影拡大コモロでは日陰がありがたかった=2日、モロニ、いずれも江木慎吾撮影

写真:サカイ川の濁流=10日、マダガスカル中部拡大サカイ川の濁流=10日、マダガスカル中部

 アフリカの東にある二つの島国を訪ねる旅は、これまでの旅とは少し違っていました。行き当たりばったりという点ではこれまでも変わりはなかったのですが、これまでは「何とかなるだろう」という根拠のない楽観がありました。今回はありませんでした。

 これまで訪ねた国のほとんどは、アフリカ特派員として取材したときに紛争のさなかか、とばぐちにあった国々でした。それなりに当時の印象が強烈だった分、戻ってみれば何かが書けるのではないかという思いがあったわけです。

 それに比べれば、特にマダガスカルは混乱の中にあったことは確かですが、それが長く尾を引く混乱とは思っていなかったため、久しぶりに戻っても何が書けるか全く自信がありませんでした。

 同時に、10年以上も前のあれこれを引き合いに今を紹介するという、これまでのやり方に限界が見えたのかなとも感じました。そんなに前に発行された「地球の歩き方」を手に旅行する人などいないでしょう。でも、十数年前にこの場所に立ったという以外に、風に吹かれていい加減な旅の記録をここに掲載する根拠が、実はないのです。

 コモロもマダガスカルもフランス語圏で、ともに言葉で手伝ってくれる人が必要でした。その人を探すことから始めなければならなかったのも、これまでと違いました。

 これまでは、杉山正ナイロビ支局長やフォトジャーナリストの中野智明さんが紹介してくれた強力な助っ人がいました。各国で出会った人たちは代々、引き継いでゆくもので、十数年前もそうしたはずなのですが、資料を見返すことなくアフリカに来たのですっかり失念していました。

 コモロでは、最初に一緒に働いた若い男性の英語がかなり不安なものだったので、途中で別の人を探さなくてはなりませんでした。それでも、聞いたことの十分の一ほどしか危なくて書けませんでした。元副大統領だけは英語で取材ができたので助かりました。

 問題はこちらが言葉ができないことなので、偉そうなことは言えません。でも、旧宗主国のフランスにとても複雑な感情を抱きながら、フランス語を使わざるを得ないところに、いまなお「主従関係」から抜けきれない国の姿があるようにも思えるのです。

 マダガスカルには、本当に何をするのか思いつかないまま着きました。ホテルでネットを検索して、にわか勉強でどこへ行って何をするかを考えました。幸い一緒に働いてくれた青年の英語は文句のつけようのないレベルでした。

 今回を、思いつきとドタバタの旅日記の限界と見るべきか、何とかなったと見るべきかはわかりませんが、いずれにせよターニングポイントに近づいているとは感じます。新しい形も模索しなくては。ただ、今は前に進んでいることで倒れない自転車のような状態なので、あと少しだけ、このまま続けてみようと思います。

 次の行き先すら今は全く思いつかないのに、そう言ってしまっていいのか、わかりませんが。さしあたって、まっさらだったパスポートのページがもう残り少なくなってしまったので、増補の手続きをする必要があります。残りページがないと、ビザを発行してくれないので。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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