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ビザ申請に再挑戦 太陽に恵まれた国で@ヨハネスブルク

写真:ネルソン・マンデラ広場に立つマンデラ氏の像=1日、ヨハネスブルク、江木慎吾撮影拡大ネルソン・マンデラ広場に立つマンデラ氏の像=1日、ヨハネスブルク、江木慎吾撮影

写真:家々の屋根に、ソーラーパネル=1日拡大家々の屋根に、ソーラーパネル=1日

 1月31日は午後にヨハネスブルクに着いてホテルに荷物を下ろし、ジンバブエ総領事館に出かけることにした。ナイロビにある総領事館は何度電話してもだれも出なかった。だから南アフリカでビザを申請することにした。

 日本人はジンバブエの空港でビザをとることができる。それは、昔もいまも変わらない。もう一つ変わっていないのが、この国が記者に対してとても厳しいことだ。

 ナイロビに勤務したころは、入国したはいいものの、数日間は記者登録に追われて仕事にならなかった。今は仕組みが変わり、ビザの段階で厳しく吟味されるようだ。

 ヨハネスブルクに着いてから何度か現地の総領事館に電話はしてみた。だが、ナイロビ同様にだれも電話に出ない。通常、ビザ申請は午前中だけのことが多いので、これは驚くに値しない。でも、もしかして午後にも対応してくれるかもしれないと思い、ホテルに運転手着きの車を手配してもらった。

 この運転手が実にいい加減で、ずっと携帯電話でしゃべり続けている。この国の車はアフリカでは珍しくカーナビが装備されているが、行き先の住所を当然のように客に入力させる。

 携帯電話でしゃべり続けるものだから、ナビゲーションの機械的な指示をやりすごしてしまう。高速道路の出口すら間違えた。電話しながら走っていて警察の検問にひっかかった。

 そんな車に乗っていて気が気ではなかったのだが、垣間見る南アフリカの道路は、なんといっても歩道がちゃんとついている。街路樹が整えられている。みな、ちゃんと機能する信号に従っている。走っている車が他のアフリカの国とは違う。ベンツやBMWの高級車がとても多い。

 信号で物売りが寄ってくるのは他の国と同じで、お金を乞う人たちもいる。信号待ちの間、パントマイムのパフォーマンスをして稼ごうとする人たちがいるのが、ちょっと違うところだ。

 結局、ジンバブエ総領事館は扉を閉ざしていた。まだ閉館時間の午後4時半になっていないと警備員に言ってはみたが、だめだった。出直すことにした。

 翌2月1日の朝に再び訪れると、ビザ申請の窓口できっと言われるに違いないと思ったことを言われる。日本に住んでいる日本人なら、なぜ日本のジンバブエ大使館で申請しなかったのか。あれこれ言われたが、何とか総領事に直接、話をさせてもらう。もしビザが出たとしても時間がかなりかかりそうだという印象を受けた。

 ビザ発行の可否がわかるまで、ボツワナに行こう。そのとき、ふと頭に浮かんだ。午後はその手配をしなくては。

 ヨハネスブルクの中心商業地サントンに立ち寄る。その一角にあるネルソン・マンデラ広場には、マンデラ氏の大きな像が夏の日差しを浴びて立っていた。

 まだ南アフリカに来て間もないが、風景を眺めていて以前とだいぶ違うと感じるのが、ソーラーパネルの多さだ。掘っ立て小屋にもついているのが見える。

 南アフリカ南西部にあるステレンボッシュ大学の研究者が始めたユニークな試みがあると聞いた。公有地に掘っ立て小屋を勝手に立てた住人に立ち退きを迫るのではなく、ソーラーパネルを設置して電気のある安定した生活を提供する事業が進められている。海外からの援助も受けて拡大しているという。

 こうした小規模な家庭への設置とは別に、ソーラーパネルによる大規模な発電事業も進められている。伊藤忠商事が参入する事業もある。

 南アフリカの電化率はサハラ以南のアフリカでは別格に高い。火力発電への依存度が8割を超える一方で、経済発展が期待され、日照時間も土地も豊富にあることから、太陽光発電を中心に様々な事業が展開されている。再生可能エネルギーの将来を占う国でもある。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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