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09月15日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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除染手当の抜き打ち検査情報が漏洩 業者、不払い口止め

【動画】労基署の検査情報が漏れ、業者が行った口止め工作

写真:検査前に前田建設工業が配った文書。危険手当について作業員への聞き取りがあると知らせる内容だ(画像の一部を修整しています)拡大検査前に前田建設工業が配った文書。危険手当について作業員への聞き取りがあると知らせる内容だ(画像の一部を修整しています)

 【青木美希、鬼原民幸】福島第一原発周辺の除染作業員に危険手当が支給されているか調べるため、厚生労働省が抜き打ちで行うことになっている検査の情報が事前に漏洩(ろうえい)し、複数の業者が手当不払いを隠す目的で作業員に口止めしていたことが分かった。検査の信頼性が揺らぐのは必至だ。

【特別報道部から】情報を求めます

 税金から1日1万円支給される危険手当の中抜きは昨年11月5日、朝日新聞報道で発覚。厚労省は約110社を検査して11社の不払いを確認したが、さらに広がる恐れがある。口止めは労働基準法違反や刑法の強要罪にあたる可能性があり、厚労省は業者などから事情を聴く。検査方法も見直し、事前漏洩を防ぐ。

 楢葉町の除染を受注したゼネコンの前田建設工業から11月12日前後に下請けに渡った文書を取材班は入手した。富岡労働基準監督署が15日に検査に入り、手当支給の有無を作業員に直接聴くことが明記されている。監督官は8人。「弁当8個」の記載もある。ある下請けによると14日に前田の現場会議室に各社が呼ばれ、「手当はもらっていると答えるように」と指示された。集中的に調べる業者名も知らされたという。

 除染現場には文書通り監督官8人が15日午前10時半ごろ現れ、約20人全員が手当を得ていると回答。複数の作業員が手当を得ていないのに「労基署が来るので『もらっている』と答えるよう下請け会社に言われた」と取材に証言した。

 前田に漏らしたのは富岡労基署の伊藤達夫署長だった。「必要書類を用意してもらうため1週間前に口頭で伝えた。作業員に直接聴く意図が伝わったのは不適切だった」と釈明した。前田は文書作成は認めたが、「うちの社員は口止めはしていない」としている。

 郡山労基署が12月6日に田村市で行った検査も漏れた。ある下請けが約30人を直前に集めて口止めした様子を作業員が録音した。

 「個別に聴く可能性が高い。受取金額ではなく満額を言って頂ければありがたい。寮費や食費を引かれ手取り額になっていますが、最低賃金に手当を足した1万5700円が正解です」

 会社は違法な引き去りが発覚して仕事から外されることを恐れたのか、「各自聞きたいこともあっていいですが、自分勝手にやると働きたい人もいる。周りの人のことも考えて行動はお願いします」と強調した。

 郡山労基署は「検査当日に現場に着いた後に漏れたと思う」。下請けは「調査中」という。厚労省労働基準局は「事前に知らせるのは必ずしも不適当と思わないが、口止めがあったとすれば問題。今後は完全な抜き打ちにする」としている。

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