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祈りの痕跡残し「記憶保存」 ニュージーランド地震

写真:日本人留学生らも犠牲になったカンタベリーテレビ(CTV)ビルの跡地。「敬意を払って」という看板がかけられていた=2012年11月30日、郷富佐子撮影拡大日本人留学生らも犠牲になったカンタベリーテレビ(CTV)ビルの跡地。「敬意を払って」という看板がかけられていた=2012年11月30日、郷富佐子撮影

写真:多くの犠牲者を出したCTVビルの跡地には、今も花やメッセージを捧げる訪問者が多いという=2012年11月30日、郷富佐子撮影拡大多くの犠牲者を出したCTVビルの跡地には、今も花やメッセージを捧げる訪問者が多いという=2012年11月30日、郷富佐子撮影

 【ジャカルタ=郷富佐子】2011年2月22日、東日本大震災が発生する17日前にニュージーランド(NZ)南部でM6・3の地震があり、日本人留学生ら28人を含む185人が犠牲になった。独立調査組織「王立委員会」が最終報告書を出した昨年11月末、最も被害が大きかったクライストチャーチ市を取材した。そこでは、記憶の風化を防ぐためのさまざまな試みが行われていた。

「話そう、震災遺構」特設マップ

 現地入りしてすぐに気がついたのは、この地震が都市の中心部を直撃したという事実だった。周辺の住宅地も被災したが、壊滅状態となり、「レッドゾーン」と呼ぶ立ち入り禁止区域に指定されていたのは、中心部の商業地域だった。私が取材したのは、そのゾーンが大幅に縮小され、解体と再建の両作業が並行して行われていたころだった。

 日本人ら115人が犠牲になったカンタベリーテレビ(CTV)ビルは、更地になっていた。そこをぐるりと囲んだフェンスに、花や折り鶴、メッセージなどがかけられていた。「この場所に敬意を払ってください」という看板もあり、こう記されていた。

 《この場所が市民と被災者にとって特別な意味を持つという認識のもと、クライストチャーチ市議会はカンタベリー博物館と共に、記憶保存の作業を進めています。捧げものを置いていくのは構いません。古くなったものは、地震の記憶の一部として博物館に保管されます。有機物質の場合は市の庭園に利用されます》

 折り鶴やカードなどはすでにある博物館に保管され、献花は土に返す。こういう「記憶保存」の方法もあるのか、と感じた。

 では、震災遺構的なものはまったく残らないのだろうか。最も議論となっているのは、街のシンボルだった大聖堂だ。大きく崩壊し、地元教会がいったんは解体・再建を決めた。

 ところが、反対する市民らが裁判所に訴えて解体作業が中断。今年4月には教会の資産を管理する団体が、かかる費用が高い順に(1)元通りの修復(2)伝統的建築を重んじた再建(3)近代的なデザインで再建――の3案を提示した。

 NZのメディアが行ったインターネット投票では(1)が約38%で最も支持を集めている(5月14日現在)。少数だが、「危険でないように修復をほどこしつつ、できるだけこのままの姿で残して」という声もあるようだ。

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