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11月14日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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長い獣たちの平原を抜けると、赤道であった @カセセ

写真:まずはバファロー拡大まずはバファロー

写真:何も見えないでしょう。でも遠くの中央の木をアップにすると……拡大何も見えないでしょう。でも遠くの中央の木をアップにすると……

写真:木の枝にライオンが寝ていたのでした。すごい写真ですみません拡大木の枝にライオンが寝ていたのでした。すごい写真ですみません

写真:ご存じバブーン拡大ご存じバブーン

写真:これはウガンダ・コブといって、ウガンダの国の動物。国章にホオジロカンムリヅルとともに刻まれている拡大これはウガンダ・コブといって、ウガンダの国の動物。国章にホオジロカンムリヅルとともに刻まれている

写真:これはたぶん見えないと思うけれど、雨が降って小さな虹がかかっていたので拡大これはたぶん見えないと思うけれど、雨が降って小さな虹がかかっていたので

写真:ゾウ拡大ゾウ

写真:赤道。雲の向こうにアフリカ第3の高峰、万年雪をいただくルウェンゾリの山塊がある=いずれも江木慎吾撮影拡大赤道。雲の向こうにアフリカ第3の高峰、万年雪をいただくルウェンゾリの山塊がある=いずれも江木慎吾撮影

 カバレからカヌングまでは3時間かかった。最初の30分だけ舗装されて、2時間半はでこぼこ道だった。この日、5月24日は先が長かったので早々にカヌング村を去った。

 このあたりは山が多い。それらの山々は段々畑や植林が山頂まで届き、かつての山の姿はとどめていない。でこぼこ道がカヌングから100キロ続く。コンゴ(旧ザイール)の国境沿いに北上する。

 この日の最高到達点は2400メートルだったが、途中から山を下り、標高千メートルを切った。ここは、アフリカを縦に走る大地溝帯が東西に分かれたうちの、西リフトバレーにあたる。

 車で走っていると、ここらあたりからクイーンエリザベス国立公園だという。といっても、門があるでも柵があるでもない。今までのでこぼこ道が続くだけだ。そのでこぼこ道が幹線道路だから、生活物資を積んだ車が通り過ぎる。人を乗せたオートバイも走る。

 そういえば、かつて南スーダンでバイクタクシーのボダボダに乗った話を書いたけれど、その発祥の地がウガンダだとされる。元はケニアとの国境を行き来する自転車だったらしい。国境から国境へと行くので、ボーダー・ボーダーに、そしてボダボダになった。

 ウガンダの輸出品のコーヒーの値が高騰して自転車が急速にバイクに変わったらしいから、産業史を映し出す乗り物でもある。そのバイクのほかに、自転車に乗った人もいる。

 国立公園の中を自転車で走って危なくないのか心配になるが、考えてみれば国立公園と呼ばれる前から生活道路の周辺に大型獣や肉食獣はすんでいたわけだ。

 そうは言っても、さすがに幹線道路沿いにはたいしたものはいるまいと思っていたら、さっそく大型草食獣のウオーターバックがいる。バファローも道のすぐ横に。と、運転手が急に止まって双眼鏡を出して遠くの木を眺めている。

 いいところは何もないが目だけはいい、と昔から言われてきたその目をこらしても何も見えない。双眼鏡を借りてようやく、何やら木の枝に横たわっている動物が見えた。ライオンだ。ここのライオンは木登りライオンとして知られているという。

 あんな遠くのライオンがわかるとはすごい。デビッドというこの運転手は元々、サファリが専門だと聞いて納得する。

 ほかにもゾウ、ウガンダの国の動物になっているアンテロープの一種、ウガンダ・コブや、バブーンが走っているだけでみられる。通行料などない。悪路を合計6時間も走って腰が悲鳴をあげていたものの、得した気分になった。

 国立公園を抜けたところに、赤道を示す碑があった。道の左右に立つ。この記事を示すピンは、赤道で記録した場所だ。ちなみに緯度はゼロ度ゼロ分ではあったけど、それ以下がゼロではなかった。でも、前には5千メートルを超えるルウェンゾリの山塊、横にはアンテロープの遊ぶ大平原、その脇には湖があって、眺めていると細かい数字などどうでもよくなってしまった。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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