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激流ナイル、ウガンダ経済めぐる思惑も激しく @カルマ

写真:カルマ付近のナイル川拡大カルマ付近のナイル川

写真:将来の石油都市ホイマで見かけた、ウガンダの銀行。できたばかりに見える=いずれも江木慎吾撮影拡大将来の石油都市ホイマで見かけた、ウガンダの銀行。できたばかりに見える=いずれも江木慎吾撮影

 ウガンダの旅は、南西端にあるカルト事件の現場だったカヌングと、北端に近いエボラ出血熱に襲われた町グルを入れたため、行程に少し無理が生じた。行きたかった場所が両方とも駆け足になってしまったのが悔やまれる。

 グルを訪れた27日、カルマという町の近くでナイルを2度越えた。南スーダンで見た悠然とした流れではなく、荒らぶるナイルがそこにあった。標高1100メートル以上のビクトリア湖を出て、激しく流れ落ちながら、エジプトに至る長旅の勢いを得ているのだろう。

 そのカルマ近くに水力発電所建設の計画が進んでいる。600メガワットと言われているが、ここでも中国企業が事業主体に決まったと伝えられる。ところが、この企業が過去の工事実績を粉飾した疑惑が持ち上がり、裁判沙汰になっている。ウガンダ側の汚職も取りざたされる。

 裁判には別の中国企業の影がちらつき、ウガンダを巡る中国企業同士のさやあてすらささやかれる。発電所をめぐっては、ムセベニ大統領が習近平国家主席と南アフリカのダーバンで会談し、援助を引き出したと伝えられている。

 中国はまた、ウガンダ北部の鉄道事業にも関心を示しているといわれる。発電、探鉱、鉄道とウガンダの基幹づくりに深く関わろうとしているようだ。

 ウガンダに入って最初に、いろんな国の企業を受け入れながらカンパラが発展してきたようだと書いた。それは裏を返せば自国の企業が育っていないということにもなる。

 たとえば、今回、早足で巡ってみて町と言えるような規模の場所にはたいてい南アフリカ系の銀行があって、それより小さな村にはアメリカ系の送金会社の窓口がある。地元の銀行もあることはあるけれど、主流ではない。一方で、各地で様々なマイクロファイナンス銀行が看板を掲げていた。

 インド系と南アフリカ系の携帯電話会社が軒を争い、ウガンダテレコムという元々は地元の会社もあるけれど、株式の半分以上は国外企業に保有されている。そのあたりが、各方面で自前の企業が育っている隣国ケニアと違うように感じた。

 訪れている間、非政府系の報道機関が警察の捜索を受け、閉鎖される事態が続いた。これは、ムセベニ大統領の後継として軍人である息子が取りざたされていることを、批判的な視点で報じたのが理由ではないかといわれる。

 ムセベニ大統領がアフリカを代表する政治家であることに間違いはない。ウガンダに安定的な政権を築き、非アフリカ諸国からの評価も高い。だが、安定とは裏表にあるのが独裁的、抑圧的な手法で、報道機関の閉鎖も批判を封じる嫌がらせとみられている。

 今回、平日なのに子どもが学校に行っていないことが気になっていた。ウガンダはおおむね1〜4月、5〜8月、9〜12月の3学期制をとっている。でも、色んな事情で学期の開始がずれるのだという。

 27日の月曜日には、制服姿で学校に通う子どもの姿があった。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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