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09月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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白を包み込む緑、緑 目的地は人口1千万都市 @ラゴス

【動画】アフリカの街道をゆく

写真:長い橋の向こうに高層ビル=いずれも10日、中野智明氏撮影拡大長い橋の向こうに高層ビル=いずれも10日、中野智明氏撮影

写真:アメリカの高速道路のよう拡大アメリカの高速道路のよう

 南部の油田地帯を走っていると、軍や警察の検問が多くあると書いた。検問で止まり、外国人が車に乗っているのを見ると、兵士が「大丈夫か、問題は何もないか」と尋ねてくる。

 外国人の拉致事件が発生している。私たちが意に反して車に乗せられたのではないことを確認しているわけだ。笑顔で手を振ると、向こうも笑顔で「行ってよし」のしぐさをする。

 写真撮影をめぐってひともんちゃくあった時、案内してくれたフライデーが紙に私たちの名前を含む何かを書かされた。おおかた始末書のたぐいだろうと思った。後で聞くと、私たちを調べたが、確かに釈放したことを証明するためだという。拉致したわけではないことを示す書類だった。

 物騒な地域だ。そういうこともあり、ウムアヒアからの帰路を強行したのは判断ミスだったと感じた。で、違法製油所の取材は時間の関係もあってあきらめて、サハラ以南のアフリカ最大の都市、ラゴスに向かうことにした。1千万以上の人口を抱える。

 ナイジェリアは英国の植民地だったが、日本や英国とは逆の右側通行だ。道には日本車が多く走るが、フランスやドイツ、アメリカの車も多い。南アフリカを除くほかの国ではあまり見かけない日本車も走っている。例を挙げると日産のムラーノ。東アフリカでは、中古車として入ってこないのかもしれない。

 道は深い緑に囲まれていることはすでに書いた。単調な緑、というと失礼な言い方かもしれないが、花がない。ナイジェリアの国旗は白を緑が挟み込む、アフリカの国旗の中ではすっきりした柄だ。南部の風景のようだ。ひたすら緑、緑。緑一色というと、麻雀(マージャン)みたいだけれど。

 途中、村にさしかかったところで、道ばたに人が仰向けに倒れて死んでいた。周りには人がいるのだが、人だかりができているわけでもなく、ただ放置されている。どういうことだろう。明らかに事故か事件なのに。時速120キロで通り過ぎてしまったが、不気味さだけが残った。

 運転手と案内役のフライデーは相変わらずしゃべり続けている。あんなにしゃべって、運転に集中できるのかと思っていたら、案の定、道に落ちていた大きな金属片に高速で乗り上げ、パンクした。ホイールにまで穴があいた。

 この車はウムアヒアで故障した車とは別の日本車だった。アブジャから南に向かう時に迎えに来てくれるはずで、途中で故障してしまった車だ。ホイールが破損しているので、ホイールごと交換しなくてはならない。途中の街で1時間ほどかけて交換した。

 きょうの行程は480キロほど。ずっと高速道路のような道なので、うまくすれば5時間で着く予定だった。でも、このタイヤ交換の後はのろのろ渋滞になった。止まることなく人が歩く速さでずっと動いて一時間以上。イライラより、何が原因なのか知りたい思いが募ったが、わからないうちに解消した。

 ラゴスのホテルに着いたときには、ウォリを出て8時間以上がたっていた。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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