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09月22日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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ナイジェリア映画をみてみたが… @ラゴス

写真:ラゴス島のビルに、映画の宣伝が貼ってあった拡大ラゴス島のビルに、映画の宣伝が貼ってあった

写真:ラゴス島には高層ビルも立ち並ぶ拡大ラゴス島には高層ビルも立ち並ぶ

写真:ラゴス島の道ばたでは何でも売られていそうだった拡大ラゴス島の道ばたでは何でも売られていそうだった

写真:このあたりには服飾関係の店がたくさんあり、女性たちが買い物をしていた。これはそれほど人が集まっていない道=いずれも中野智明氏撮影拡大このあたりには服飾関係の店がたくさんあり、女性たちが買い物をしていた。これはそれほど人が集まっていない道=いずれも中野智明氏撮影

 13日は日程をあけておいた。ノリウッド映画の撮影風景を取材したいと考えていた。その予定が入るかもしれなかったからだ。でも、撮影は主に野外なので雨の多いいま、ラゴス周辺での撮影をみつけるのは難しかった。

 ぽっかり予定があいてしまったので、ノリウッド映画をみにいこうということになった。

 ラゴスでは治安がいいといわれるビクトリア島のホテルに泊まった。ひどいホテルでも、かなり高い。泊まっていたところは、床が波打って、バスルームの扉は閉まらない。壁は深い青色に塗られ、カーテンは縫い合わせてあって開けられず、暗い気分が募る。廊下も暗くて、壊されたのか壊れたのか、扉に穴の開いた部屋がある。

 近くにカジノがあるためか、おもてには所在なげな若者がたむろしている。職員は愛想も何もない。これで1泊1人1万7千円ほど。同じ値段で別のホテルが見つかったので、そちらに移った。

 島の中はいつも渋滞している。道路脇に止めた車が、後ろ向きに道に出てきて、あっちこっちで流れを阻害する。渋滞に乗じてというか、交通警官が幅をきかせ、ささいな違反を見つけて罰金のかわりにわいろを要求する。

 ナイロビの渋滞はひどいと思ったが、その比ではない。どだい、都市の規模が全く違う。

 ノリウッド映画のDVDが売られているところを探してみた。ビクトリア島のショッピングセンターを回っても、売っていない。隣のラゴス島の雑踏では売っていそうだったが、ここは治安がよくなく、カメラをもって歩くのはためらわれた。

 小さな店や屋台で、あらゆるものが売られている。そこに、人、人、人。蝟集(いしゅう)とはあまり人には使わないのかもしれないけれど、店のある一角に密集する人を見ていると、そんな言葉が浮かぶ。外国人らしき人が1人もいない。そんな中に、DVDを売っている店が何カ所かあった。

 ビクトリア島に戻って、封切り2週間のナイジェリア映画「Turnig point」をみにいった。ノリウッドと書かなかったのは、舞台が米国で、ナイジェリア人ではない俳優も多く出演する映画だからだ。つまり、それなりに大作だから映画館で封切られたのだろう。

 米国にわたって投資銀行に勤め、成功しているナイジェリア人男性が、米国人の婚約者を裏切り、母親の策略に乗ってナイジェリア人女性と結婚してから転落の人生を歩む物語だった。

 2時間ほどの映画を終えて、中野智明さんと顔を見合わせてうなってしまった。映画評論などとてもできないど素人だけど、これはかなりひどい。

 最初の結婚の策略に無理があるため、話に入っていけない。米国で生まれた黒人と、アフリカからわたってきた黒人との間にも差別があることを描くなど、学ぶところもあったけど、それがうまく物語を支えていない。何より、観客を突き放した唐突な終わり方で、まるで予算がなくてこれ以上つくれませんでした、というようだった。

 150席ある映画館に、観客は9人だった。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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