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11月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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自然と資源 どちらも生かす道は果てなく @ドドマ

写真:イリンガからドドマに向かう拡大イリンガからドドマに向かう

写真:暮色拡大暮色

写真:先の長い道のり、日よ沈むなと言いたくなる。アフリカの夜道は真っ暗だ拡大先の長い道のり、日よ沈むなと言いたくなる。アフリカの夜道は真っ暗だ

写真:枯れた下草もピンクに染まる=いずれも江木慎吾撮影拡大枯れた下草もピンクに染まる=いずれも江木慎吾撮影

 カエルの谷を離れ、一路ドドマに向かう。言わずと知れた、ではなく、言っても知られていないタンザニアの首都だ。

 道すがら、タンザニアの資源について考えた。この国にしかない宝石タンザナイトがある。近年は金採掘で南アフリカに次ぐアフリカ2位の座をガーナと争っている。天然ガスが豊富にある。そして、もうしばらくするとウランの産出国になる。

 この国のウラン採掘をめぐっては、キハンシヒキガエルと形は違うけれど、人間の営みと自然とのせめぎ合いがあった。というか、これからもあるだろう。

 タンザニアにウラン鉱があることは、独立前から知られていた。今回、採掘が進められるのは同国の南部にあるムクジュ川周辺地域だ。問題になったのは、この場所がユネスコの世界遺産に指定されているセルース猟獣保護区の南端にかかっていることだった。

 アフリカでも最大級の保護区だ。5万平方キロと言うから、九州と四国を足したより少し狭いぐらい。10万頭以上のゾウ、2千頭以上のクロサイのほか、チーターやカバ、ワニなどが多くすみ、手つかずの自然が残されている。

 世界遺産の中でそのままウラン採掘をするわけにはいかない。タンザニア政府は世界遺産の区画見直しをユネスコの世界遺産委員会に申請した。

 タンザニア国会の土地・資源・環境委員会は時期尚早として政府にウラン採掘の見直しを求めた。世界遺産委員会はいったん、タンザニア政府の申請について資料の追加などを求めて差し戻した。でも、追加資料のないまま2012年に「見直し後の保護区内では資源採掘を行わない」などと念押ししつつ、約2万ヘクタールを保護区から削除する変更を申請通りに認めた。

 採掘権を得たのはオーストラリアの会社だった。この会社の株式すべてがロシア企業の手に渡り、さらに実質的な運営はロシア企業傘下のカナダの会社が担う複雑な流れができている。こうしたことは資源採掘では珍しくないそうだ。

 タンザニア政府は、株式のやりとりで生じた利益に課税しようとしていて、ロシア企業との間に解釈の違いが生じている。採掘は今年にも始まるとみられていたが、まだ始まっていないという。

 採掘現場に企業が道路をとりつけたところ、これがゾウの密猟者に利用されるという事態も起きている。セルース保護区については、様々な地点での資源探査をタンザニア政府が認めていて、今回の世界遺産の区画見直しがほかの開発に道を開くのではないかとNGOなどは警戒している。そもそも、情報があまりに表に出てこないと、この件で話をした地元の記者たちは嘆いていた。

 さて、20日は悪路を550キロほど走った。ドドマまで行くというのはまったくの判断ミスだった。朝7時に出て、車のトラブルが続いたということもあるけれど、ドドマについたときは午前0時になろうとしていた。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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