【赤井陽介】爆発的に売れる救命胴衣、次々に開発されるユニークな浮き具――。津波対策グッズに注目が集まっている。国が発表した南海トラフ巨大地震の被害想定で、大津波が短時間で到達する恐れが指摘されたからだ。行政も導入を後押しするが、専門家は「グッズを過信して避難がおろそかにならないように」と呼びかける。
特集:南海トラフ地震の被害想定■学校に配備の自治体も
「今の想定を見ると、間違いなく流される。それなら少しでもマシに流された方が良い」と話すのは、静岡県焼津市の建設会社社長、大石美喜保(みきほ)さん(57)だ。家族6人分の救命胴衣を買った。
国が昨年3月から今年3月にかけて発表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、数分で津波が来る。津波高は最大11メートル。海から数百メートル、標高3メートル程度の自宅は津波にのまれる可能性が高い。高台も遠い。「これ以外に方法が無かった」
カザワトレーディングカンパニー(神戸市)が販売する救命胴衣は、津波の漂流物から頭部を守るために付属する頭巾と、意識を失っても仰向けに浮く設計が「売り」だ。
加沢慶久社長(63)は「東日本大震災前は年1千〜2千着だった販売数が被害想定の発表後に伸びた。今年は6千着売れた月もある」。津波被害が予想される静岡県や高知県、和歌山県など、広い地域で売れているという。
自治体が救命胴衣を買いそろえたり、補助金を出して住民に買うように促したりする取り組みも進む。
愛知県の標高0メートル地帯にある人口約4700人の飛島村。昨年4月以降、約650着を村内の保育所や小中学校に配備した。浜松市は昨年8月に市内の全消防団員に行き渡るよう、3千着余をそろえた。
和歌山県串本町は大震災後、3千円を上限に購入費の半額の補助を始めたところ、2年足らずで約400件の利用があった。担当者は「これで必ず命が助かるわけではないが、身近に置いておけば防災意識を保つことにもつながる」と言う。
■浮き具、新製品続々
アウトドア用品大手のモンベル(大阪市)は大震災後、津波対策用の救命胴衣「浮くっしょん」を開発した。折りたたんでおくと、見た目はクッションという変わり種だ。「かさばると身近な場所に置かれなくなる」と考えた。追加生産が続いているという。
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