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農業急成長の影に、250人の白人 @ルサカ

写真:農業フェアにあったザンビア産バイオ燃料の展示拡大農業フェアにあったザンビア産バイオ燃料の展示

写真:道路開発局の展示に人が集まっているのは、踊りのコンテストをしていたから拡大道路開発局の展示に人が集まっているのは、踊りのコンテストをしていたから

写真:各地方が自慢の産品を展示していた拡大各地方が自慢の産品を展示していた

写真:会場におしかけた人の波拡大会場におしかけた人の波

写真:有機野菜の直売も=いずれも江木慎吾撮影拡大有機野菜の直売も=いずれも江木慎吾撮影

 ザンビアといえば、銅。これは昔から変わらない。日本の10円玉にもかつては使われていた。だが、ザンビアはずっと貧しく、随分前から、過度な銅依存からの脱却が言われてきた。

 元々、人口の6割以上が農業に従事している。その農業でここ数年、ザンビアは飛躍を遂げている。幹線道路のビルボードに農機具の広告があるわけだ。主食のメイズでいえば、かつて輸入に頼っていたのが、いまは輸出国になった。

 この飛躍の影には、隣国ジンバブエの経済破綻(はたん)があったと報道されている。ジンバブエは白人政権のもと、少数の白人が大部分の豊かな土地を独占してきた。独立闘争をへて成立したムガベ政権はその解消を目指した土地改革を模索してきた。

 2000年ごろから、独立戦争の旧軍人たちが白人農場を勝手に占拠するのを容認する形で、改革は急速に進められた。これが引き金になり、ジンバブエ経済は破綻した。家を追われ、多くの白人農場主が国外に脱出した。このうち、250人ほどがザンビアに定着した。ザンビア農業躍進の背景には、その白人たちの存在があるというのだ。

 250人ほどで一国の農業地図が塗り変わるのか。その辺のことを、ザンビア全国農民連合(ZNFU)のカコマ・カレイ報道担当(39)に尋ねた。この連合には、大規模、中規模、小規模な農家あわせて60万人以上が加入している。

 カレイさんによれば、おおざっぱに言って、ザンビアは年間に200万トンのメイズを消費する。00年代前半は100万トン程度の生産だったのが、10年ごろには300万トンに達した。昨年と今年は少し減った。

 飛躍の背景には、いくつかの要因があるという。小規模農家への種や肥料の補助プログラムの効果が表れたことが一つ。小規模農家に至るまで、自分たちの食いぶちをつくるだけではなくて農業がビジネスだという考えが浸透してきたことも一つ。1ヘクタールあたりの収量が0・6トンから4トンにまで伸びたという。

 ジンバブエから移住した白人農家の多くはたばこ、小麦を生産している。彼らは大規模農家で、「農業=ビジネス」という考え方をザンビアの農村に広めた。小麦の生産は06年ごろの9万トンから12年には25万トンに伸びている。

 当初、ジンバブエのようにひよくな土地を独占されてしまうのでは、という警戒感をもった農家もいるにはいた。でも、ジンバブエ農家たちのもたらした経済効果は確実にザンビアの農業の生産性を高めた。ZNFUの幹部になった白人農家もいて、「ウィン、ウィン」の関係が築けているとカレイさんは話した。

 ザンビアに到着した翌日の5日は月曜日だったが、国民の祝日「農民の日」だった。ルサカでは年に1度の農業フェスティバルの最終日だというので、出かけた。肥料、メイズのハイブリッド種、中国製の農機具などの展示、有機野菜の畑からの直売などがあった。歌謡ショー、踊り、様々な出店を楽しむ家族連れで野外の会場はごった返していた。

江木慎吾

プロフィール江木 慎吾(えぎ・しんご)

61年生まれ。社会部をへて00年代、ナイロビ、ニューヨーク支局に勤務。バルカン半島、中東、アフリカ各地の紛争取材を経験しつつ、小心さは変わらない。動作が緩慢でのんきに見えるが、気は短い。趣味は散歩。しばしば二日酔い。だめトラファン。

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