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1年取りたかった―つるの剛士さん

写真:タレントで育休をとったつるの剛士(たけし)さん(38)タレントで育休をとったつるの剛士(たけし)さん(38)

 【高橋末菜】――育休はどうしてとりたいと?

 「家庭と仕事のバランスをとれっていう、父の影響です。母は専業主婦でしたが、おやじは朝早く、夜も遅いバリバリの銀行員。でも、よく話し込むことがあったんです。仕事とは、社会とは、って。自分の好きなことをやれって言ってくれました。そのとき、家庭はすべての基盤だから大事にしろとも」

 ――お子さんが4人います。

 「2人目までは仕事も少なく、時間があったんで妻と育児をしていました。3人目が生まれる前くらいから、『ヘキサゴン』というクイズ番組で忙しく、生活が一変。出産の立ち会いもできませんでした。育休なんて頭にもなかった。自分のことで精いっぱいだったんです」

 ――4人目が生まれて育休を取るときも、忙しかったのでは?

 「家に帰れない日が続いていました。4人目が生まれるというのに、これでいいのかと悩みました。家庭が崩れると仕事もダメになるという思いがあったから、ここらで頭の整理も含めて、家庭という基盤をしっかりさせたいと。そのうえで、仕事に戻りたいと思ったんです」

 ――でも、周囲には反対された?

 「妊娠4カ月のころ、『ベストファーザー賞』を頂いた。受賞のステージで4人目が生まれることと、休むことも宣言しちゃいました。当時、マネジャーさんには相談していましたが、事務所の上の人たちには話をしていませんでした」

 ――事務所のみなさんは驚きましたか。

 「えー! きいてねえよ、って。最初は1年取りたかったんです。でも、社長からもマネジャーからも絶対にダメだと。レギュラー番組もあって休めるわけがない。だけど、ヘキサゴンのプロデューサーは快くOKしてくれた。帰ってくるの待ってるからねと。ありがたかったです」

 ――仕事がなくなる心配はありませんでしたか?

 「実際、芸能界ってそうみたい。でも、自分で考えて自分で表現していかないと。忙しすぎると、面白いことを考えたり思いついたりする余裕がなくなるんです。もし、休んでダメになっても、それならそれでいいやって気持ちもあった。不安はなかったんです」

 ――なぜ?

 「親から、『おまえなら大丈夫だ』って小さい頃から言われていたのもあるかな。根拠のない自信です。今が休むときだって思った。家庭に入って、一から頭整理したいなって。4人目が生まれる直前に神奈川県の藤沢市に引っ越しました。僕は仕事で忙しかったから、家のどこの引き出しに何が入っているのかも、地域のことも何一つわからなかった。それが気持ち悪かった」

 ――「地域」ですか?

 「引っ越したあと、娘が肺炎で救急車に運ばれたことがありました。そのとき、我が家の子どもたちを近所の人が預かってくれたんです。子育ては、夫婦だけじゃできないって思い知りました。地域は子どもが生活する場ですから、よく知っておきたい。子どもの友達の両親とか、地域のおじいさん、おばあさんとか。育休中、仕事では出会えないような人たちとも知り合えました」

 ――育休中はどうすごしましたか?

 「毎朝、子どもたちの弁当をつくっていました。幼稚園に送り、妻と赤ちゃん連れてランチに行ったり、サーフィンをしたり。午後は幼稚園に子どもの迎え、夕飯の買い物。子どもを風呂に入れている間に、妻が夕飯をつくって、みんなで食べる。子どもが寝た後の夜9時半くらいから夫婦の時間。お茶を飲んだり、語り合ったり。そんな毎日。すんげーよかったですよ。赤ちゃんの世話より、妻と過ごしたい気持ちが大きかった」

 ――だからイクメンと言われることに抵抗がある?

 「そう。ぼくは妻のことをまず第一に考えていた。3人目のときはごめんね、世話もできなくて。今度は手伝うからねっていう思いでした」

 「妻はスタイリストでしたが、最初の子どもがきっかけで辞めました。好きな仕事を辞めて育児をしていてくれることに、申し訳ない気持ちと感謝の気持ちがあります。育休でコミュニケーションも愛情も深まりました」

 ――男性の育休取得率は1・89%。職場にとりづらい雰囲気があるようです。

 「組織の一員なので、大変なのだと思います。僕も番組の皆さんには迷惑かけたけど、自分のことは自分で責任がもてるので、その意味では取りやすかった」

 「育休を取る男性は、マニフェストみたいなのをつくればいいんじゃないかな? これだけ休みますから、これだけのものを持って帰りますっていうビジョンをつくる。未来予想図のようなものを会社に提案するんです。上の世代や育児していない人たちには、育休って『ただ休むだけ』と思っている。そうじゃないことを伝えるためです。ちゃんと説得できれば、職場の受け止め方も変わるんじゃないでしょうか」

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